看護師として退職や転職を考えたとき、「退職金はいくらもらえるんだろう?」と気になる人もいるのではないでしょうか。
長く働いていれば退職金も多くなるイメージがありますが、実際の金額は勤務先によって大きく異なります。
そもそも退職金制度がない医療機関もあれば、一定の勤続年数を満たさなければ支給されない職場もあります。
この記事では、看護師の退職金の仕組みや勤続年数との関係、公立病院と民間病院の違い、退職前に確認しておきたいポイントについてわかりやすく解説します。
看護師の退職金は必ずもらえる?
退職金は、看護師として働いていれば必ずもらえるものではありません。
法律上、すべての勤務先に退職金制度の導入が義務付けられているわけではないためです。
退職金制度がある場合は、勤務先の就業規則や退職金規程などに支給条件や計算方法が定められています。
たとえば、
・ 何年以上勤務すると対象になるのか
・ どのような計算方法なのか
・ 自己都合と会社都合で違いがあるのか
などは勤務先によって異なります。
そのため、「看護師として10年働いたから○○万円もらえる」と一律に計算することはできません。
まずは自分の勤務先に退職金制度があるか確認することが大切です。
看護師の退職金はどうやって決まる?
退職金の計算方法は勤務先によって異なります。
たとえば、基本給 × 勤続年数 × 支給率のような計算方法を採用しているところもあれば、勤続年数や役職などをポイント化して計算する制度もあります。
また、企業年金や退職金共済などを利用しているケースもあります。
同じ基本給で同じ年数働いた看護師でも、勤務先が違えば退職金が同じになるとは限りません。
勤続年数が長いほど退職金は増える?
一般的には、勤続年数が長くなるほど退職金が増える制度が多くみられます。ただし、単純に「1年働くごとに同じ金額が増える」とは限りません。
勤続年数によって支給率が変わる制度では、一定の年数を超えたところから退職金が大きく増えることもあります。
一方で、「勤続3年以上から支給」など、最低勤続年数が定められている場合もあります。
そのため、退職を考えている場合は、「今辞めた場合はいくらか」だけではなく、「あと1年、3年働いた場合はいくらになるのか」まで確認しておくと、退職時期を考える材料になります。
公立病院と民間病院では何が違う?
公立病院と民間病院では、退職金の仕組みが異なることがあります。
地方公務員として勤務している看護師の場合は、自治体の条例などに基づいて退職手当が計算されます。
一方、民間病院や医療法人では、それぞれの法人が定めた退職金制度によって計算されます。
そのため民間病院では、
・ 退職金制度がない
・ 一定の勤続年数から支給される
・ 独自の計算式がある
・ 退職金共済などを利用している
など、勤務先による違いが大きくなります。
「公立病院だから○○万円」「民間病院だから○○万円」と単純に比較するのではなく、自分が勤務している病院の制度を確認することが重要です。
退職前に確認しておきたい4つのこと
退職を考え始めたら、退職届を出す前に退職金について確認しておきましょう。
確認したいのは、
・ 退職金制度があるか
・ 何年以上勤務すると対象になるか
・ 退職金の計算方法
・ 自己都合退職などで支給率が変わるか
の4点です。
就業規則や退職金規程を確認しても分からない場合は、人事や総務に問い合わせる方法もあります。
可能であれば、「現在退職した場合の退職金はいくらになるのか」を確認しておくと、より具体的に退職後の生活を考えられます。
退職後の収入が心配な場合は、失業保険についても確認しておきましょう。
▶︎ 看護師の失業保険はいくらもらえる?― 自己都合と会社都合の違いを知らないと損をする
退職金には税金がかかる?
退職金にも税金はかかりますが、「退職所得控除」という仕組みがあります。
退職所得控除額は、勤続年数によって計算されます。
勤続20年以下の場合は、40万円 × 勤続年数
勤続20年を超える場合は、800万円 + 70万円 ×(勤続年数-20年)が基本的な計算方法です。
たとえば勤続10年なら、退職所得控除は400万円です。
実際の退職金が退職所得控除の範囲内であれば、原則として退職所得に対する所得税はかかりません。
退職金を考えるときは、支給額だけではなく、税金を引いたあとにいくら残るのかも確認しておくとよいでしょう。
退職金だけで退職時期を決めない
退職金は、退職後の生活を支える大切なお金です。
「あと数年働けばどれくらい増えるのか」を知っておくことは、退職時期を考えるうえでも役立ちます。
まずは就業規則や退職金規程を確認し、可能であれば、今辞めた場合にいくら受け取れるのかを確認してみましょう。
夜勤がつらい、体調を崩した、働き方を変えたいなど、退職を考える理由は人それぞれです。
自分が受け取れる退職金を把握したうえで、収入や健康、次の仕事も含めて退職時期を考えていくことが大切です。


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