訪問看護ステーションの管理者は現場に出てもいい?管理業務との両立を考える

訪問看護ステーションの管理者が現場訪問と管理業務を両立するイメージ 40代看護師の働き方・お金
訪問看護ステーションの管理者は現場に出てもいい?訪問業務と管理業務を両立する働き方について考えます。

訪問看護ステーションを開業することを考えていると、管理者について一つ疑問が出てきました。

「管理者になったら、自分は訪問に行けなくなるのか?」

ということです。

僕は現在、精神科の訪問看護ステーションで働いています。

今の職場では、管理者も普通に利用者さんのところへ訪問しています。

そのため僕自身、

「管理者だから訪問してはいけない」

というわけではないことは、現場で働いていて分かっています。

ただ、自分が将来ステーションを開業して管理者になることを考えると、

「実際には1日何件くらい訪問できるのか」

「管理業務との両立はできるのか」

というところまで考えておく必要があると思いました。

今回は、現在の職場で実際に管理者が訪問している様子も踏まえながら、訪問看護ステーションの管理者と現場業務について考えてみます。

※僕は現在、精神科訪問看護師として働きながら開業について調べています。実際の指定申請や人員配置については、開業する地域の担当窓口にも確認する予定です。

訪問看護ステーションの管理者は、利用者さんへの訪問だけでなく、スタッフ管理や関係機関との連携、書類の確認など、さまざまな仕事を担当します。

僕自身、開業を考えるようになってから「管理者は具体的に何をするのか?」を改めて調べました。

管理者の仕事内容については、こちらの記事で詳しく整理しています。
▶︎ 訪問看護ステーションを開業するなら管理者は何をする?現役訪問看護師が調べて分かった仕事内容

訪問看護ステーションの管理者も訪問していい

まず結論から言えば、訪問看護ステーションの管理者が利用者さんのところへ訪問することは可能です。

厚生労働省の基準では、訪問看護ステーションの管理者は原則として常勤・専従とされています。

ただし、ステーションの管理上支障がない場合には、同じ訪問看護ステーションの看護職員として仕事をすることが認められています。

つまり、

「管理者=事務所から出てはいけない」

という意味ではありません。

管理者として必要な仕事をきちんと行えるのであれば、看護師として利用者さんの自宅を訪問することもできます。

実際、僕の職場でも管理者は訪問している

これは僕自身、今の職場で毎日のように見ています。

僕が働いている精神科訪問看護ステーションでも、管理者が訪問に回っています。

管理者だから一日中事務所にいて、スタッフだけが訪問に出るという形ではありません。

利用者さんのところへ行って、普通に訪問看護を行っています。

特に小規模な訪問看護ステーションでは、管理者を完全に管理業務だけにするのは難しいところもあると思います。

看護師の人数が少なければ、管理者も訪問に出た方が当然多くの利用者さんに対応できます。

開業直後であれば、なおさらだと思います。

僕自身も開業したら、

「自分は管理者だから訪問しない」

という運営は今のところ考えていません。

むしろ最初は、自分自身も訪問に出ることになると思っています。

ただし「管理上支障がないこと」が重要

ここで気をつけなければならないのが、

「訪問できる=何件でも訪問していい」

という話ではないことです。

管理者には、管理者としての仕事があります。

訪問看護ステーションを運営していると、利用者さんの訪問だけではなく、さまざまな業務が発生します。

例えば、

スタッフの勤務管理

訪問スケジュールの調整

主治医や医療機関との連携

ケアマネジャーや相談支援専門員との連携

新規利用者さんの受け入れ

契約や書類の確認

訪問看護指示書の管理

スタッフからの相談対応

事故やトラブルへの対応

請求業務の確認

行政への届出や対応

などです。

実際には、これ以外にも細かい仕事がたくさんあると思います。

利用者さんが増えれば増えるほど、こうした仕事も増えていきます。

訪問件数が増えると管理業務が大変になる

僕が今の職場を見ていて感じるのは、ここです。

利用者さんが少ないうちは、管理者が訪問に出ながら管理業務をすることも比較的やりやすいと思います。

ところが利用者さんが増えてくると、状況は変わります。

訪問件数が増えれば、単純に訪問する時間だけが増えるわけではありません。

記録も増えます。

電話も増えます。

主治医や関係機関とのやり取りも増えます。

指示書などの書類管理も増えます。

そして保険請求に関係する確認作業なども増えてきます。

精神科訪問看護の場合も、利用者さんの状態によっては病院やクリニック、相談支援事業所などと連絡を取る場面があります。

さらにスタッフが増えれば、今度はスタッフを管理する仕事も増えます。

だから、

「管理者も訪問できる」

という制度上の話と、

「管理者が毎日何件も訪問して大丈夫なのか」

という経営上の話は、分けて考えた方がいいと思っています。

開業直後は僕自身も訪問に出ると思う

僕が精神科訪問看護ステーションを開業するとしたら、最初から大人数のスタッフを雇うことは考えていません。

まずは小さく始める予定です。

当然、利用者さんも0人に近いところから始まると思います。

その状況で、

「僕は管理者なので訪問には行きません」

というのは、現実的ではありません。

僕自身も訪問に出ます。

むしろ開業直後は、利用者さんとの関係を作ったり、病院やクリニック、相談支援事業所とのつながりを作ったりする意味でも、自分が現場に出ることは大切だと思っています。

自分が経営するステーションだからこそ、現場の状況を自分の目で見ておきたいという気持ちもあります。

ただ、1日5〜6件を毎日回るのは考えていない

ここは今の段階から意識しておきたいところです。

以前、精神科訪問看護の1日の訪問件数について考えたことがあります。

看護師として訪問だけをするのであれば、地域や移動距離にもよりますが、1日4〜5件程度を回ることは十分考えられます。

ただ、自分が管理者になった場合は別です。

朝から夕方まで訪問予定を詰め込んでしまったら、

スタッフから電話が来た。

新規の依頼が入った。

病院から連絡が来た。

利用者さんにトラブルが起きた。

書類を確認しなければならない。

そんなときに対応する余裕がなくなります。

そのため僕が管理者として働くなら、一般のスタッフとまったく同じ件数を毎日回るのではなく、ある程度余白を作る必要があると思っています。

管理者の訪問件数はステーションの成長とともに変えていい

僕は、最初から管理者の訪問件数を固定する必要はないと思っています。

例えば開業直後。

利用者さん10人。

スタッフも最低限。

この時期なら管理者である自分も積極的に訪問する。

そして利用者さんが20人、30人、40人と増えてくる。

スタッフも増える。

請求や連携業務も増える。

そうなったら、自分の訪問件数を少しずつ減らしていく。

最終的には、

現場に出る日

管理業務をする時間

営業や関係機関を回る時間

スタッフと話す時間

をバランスよく作っていく。

こうした形の方が現実的なのではないかと思っています。

管理者が現場に出るメリットもあると思う

一方で、管理者がまったく訪問しなくなることにもデメリットはあると思います。

実際に利用者さんと会うことで、

「最近こういう利用者さんが増えている」

「この地域は移動に時間がかかる」

「この記録方法はスタッフに負担が大きい」

「この時間帯は訪問を組みにくい」

など、現場に出なければ分からないことがあります。

スタッフから話を聞くだけでは分からない部分もあります。

僕自身は、将来経営側になったとしても、完全に現場から離れることは今のところ考えていません。

訪問看護師として利用者さんと関わる時間は、ある程度残しておきたいと思っています。

大切なのは「訪問するか」ではなく「管理できているか」

今回調べてみて、僕が一番重要だと思ったのはここです。

「管理者は訪問していいのか?」

という質問だけを見ると、答えは比較的シンプルです。

管理業務に支障がなければ、管理者が看護職員として訪問することはできます。

でも本当に考えなければならないのは、

「管理者としてステーション全体をきちんと見られているか」

ということだと思います。

訪問件数を増やしすぎて、

スタッフの相談に対応できない。

書類がたまる。

請求の確認ができない。

新規依頼への対応が遅れる。

利用者さんの状況を把握できない。

こうなってしまったら、管理者として現場に出すぎているのかもしれません。

逆に、利用者さんがまだ少ないのに管理者がまったく訪問せず、人件費だけが増えてしまうのも、小規模なステーションでは経営的に厳しくなる可能性があります。

結局は、そのステーションの規模に合わせて変えていく必要があるのだと思います。

僕なら「現場に出る管理者」から始めたい

僕はまだ訪問看護ステーションを開業したわけではありません。

実際に経営してみたら、今考えているより大変なこともたくさんあると思います。

それでも現時点では、

開業直後は自分も訪問する。

利用者さんが増えたら少しずつ管理業務の時間を増やす。

スタッフが増えたら、自分がすべての訪問を抱え込まない。

そして完全に現場から離れるのではなく、利用者さんやスタッフの状況が分かる程度には現場に関わり続ける。

そんな管理者をイメージしています。

今の職場でも管理者が実際に訪問しているからこそ、

「管理者になったら現場を離れなければならない」

とは思っていません。

ただ、管理者には訪問看護師とは違う責任があります。

訪問件数を増やして売上を作ることだけではなく、スタッフが働ける環境を整え、利用者さんに適切な訪問看護を提供し続けられるステーションを作ること。

自分が開業するときには、そのバランスを忘れないようにしたいと思っています。

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