看護師として働いていると、師長との関係に悩むことがあります。
話が通じない、評価に納得できない、自分だけ厳しく言われる。
そんな状況が続けば、仕事に行くこと自体がつらくなり、「もう辞めたい」と考えることもあるでしょう。
しかし、仕事は生活にも関わるため、勢いだけで退職を決めるわけにもいきません。だからといって、限界まで我慢し続ける必要もありません。
「耐えるか、辞めるか」の二択にしないことです。
まずは、なぜ師長と合わないと感じるのかを整理する。そのうえで、今の職場でできることを試しながら、必要であれば異動や転職、退職も選択肢に入れていく。
この記事では、師長との関係に悩んでいる看護師が、感情だけで退職を決める前にやっておきたい現実的な行動を紹介します。
退職が頭に浮かんでいるなら、失業給付についても早めに確認しておくと安心です。
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なぜ師長と合わないのか?
師長とうまくいかないからといって、必ずしも自分か相手のどちらかが悪いとは限りません。
性格だけではなく、仕事に対する考え方や管理方法の違いが原因になっていることもあります。
① 管理スタイルが合わない
細かく報告を求め、仕事の進め方まで指示する師長もいれば、ある程度スタッフに任せる師長もいます。
自分で考えて動きたい看護師にとって、細かく管理される環境は窮屈に感じるでしょう。
一方で、具体的な指示があったほうが働きやすい人もいます。
これは能力というより、管理スタイルとの相性です。
② 評価するポイントが違う
自分では、
・ 患者さんへの対応
・ スタッフとの協力
・ 事故を起こさないこと
を大切にしていても、師長は別の部分を重視していることがあります。
業務効率や病棟運営、委員会活動、スタッフへの働きかけなど、管理者の立場だからこそ見ている部分もあります。
そのため、「これだけ頑張っているのに、なぜ評価されないのだろう」というズレが生まれることがあります。
評価されないことと、自分に能力がないことは同じではありません。
③ コミュニケーションの相性が合わない
師長との関係では、仕事の進め方だけでなく、話し方や接し方がストレスになることもあります。
例えば、
・ 人前で強く注意される
・ 相談しても話を最後まで聞いてもらえない
・ その場の感情で判断が変わる
こうしたことが続けば、仕事そのものに問題がなくても、師長と関わることが負担になってきます。
師長には悪気がなく、話し方や距離感、物事の伝え方など、単純にコミュニケーションの取り方が自分と合っていない場合もあります。
「師長が嫌い」で終わらせるのではなく、自分はどんな場面や関わり方にストレスを感じているのかを一度整理してみましょう。
原因が具体的になると、「距離を取るのか」「伝え方を変えるのか」「ほかの人に相談するのか」次の行動も考えやすくなります。
師長と合わないときに取るべき5つの行動
① 起きたことを記録する
最初にやっておきたいのは、実際に起きたことを記録することです。
例えば、
・ 会議で自分だけ強く注意された
・ 相談しても話し合いにならない
・ 自分だけ夜勤が少ない
・ 説明を求めても納得できなかった
といったことです。
ここで重要なのは、「事実」と「自分がどう感じたか」を分けることです。
「師長は自分を嫌っている」ではなく、「〇月〇日、質問したが返答がなかった」というように記録します。こうすると、感情だけで状況を判断しにくくなります。
同じことが繰り返されているのか、それとも一時的な出来事だったのかも見えてきます。
必要になったとき、上位の管理者や人事などへ相談する際にも役立ちます。
② 師長との間に境界線を引く
師長との関係が悪くなるのが怖くて、何でも引き受けてしまうことがあります。
特に、
・ 頼まれると断れない
・ 期待に応えようとする
・ 波風を立てないように我慢する
という人は注意が必要です。
境界線を引くというのは、師長に反抗することではありません。
「ここまではできる。でも、ここから先は難しい」
と自分の中で線を引くことです。
例えば、勤務変更を頼まれたときも、毎回引き受ける必要はありません。
難しいときには、「その日は予定があるため難しいです」と伝えてもいいのです。
相手を尊重することと、自分がすべて我慢することは違います。
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③ 師長以外の選択肢を探す
師長との関係がどうしても改善しない場合でも、すぐに病院そのものを辞める必要はありません。
同じ職場に残りながら、環境を変える方法もあります。
例えば、
・ 部署異動はできないか
・ 師長より上の管理者へ相談できないか
・ 勤務形態を変更できないか
・ 夜勤回数を調整できないか
こうした選択肢を一度確認してみましょう。
私自身、長く看護師として働いてきましたが、同じ病院でも上司や部署が変わるだけで、働きやすさが大きく変わることがあります。
「今の部署で働くのがつらい」ことと、「この病院ではもう働けない」ことは同じではありません。
退職を決める前に、今の職場で変えられることがないかを探してみる。
それでも難しければ、そのときに転職や退職を考えても遅くはありません。
④ 退職した場合のお金を確認する
それでも退職を考えるなら、次はお金を確認します。
確認しておきたいのは、
・ 毎月最低いくら必要なのか
・ 預貯金で何か月生活できるのか
・ 退職金はあるのか
・ 有給休暇は何日残っているのか
・ 失業給付はいつから、どの程度受け取れるのか
・ 傷病手当金の対象になる可能性はあるのか
などです。
失業給付の金額や受給開始時期は、年齢や賃金、雇用保険の加入期間、離職理由などによって変わります。
「辞めても何とかなるだろう」ではなく、自分の場合はいくらになるのか確認しておくことが重要です。制度を知っておくだけでも、退職への不安はかなり具体的になります。
⑤ 最悪のケースまで計算しておく
最後に考えておきたいのが、「すぐに次の仕事が決まらなかったらどうするか」です。
例えば、毎月最低30万円必要なら、6か月で180万円かかります。
必ず6か月分の貯蓄が必要という意味ではありません。退職後、収入がない状態で何か月生活できるのかを把握しておくための計算です。
漠然と「辞めたら生活できなくなる」と考えていると、不安ばかり大きくなります。
数字にしてみると、
「3か月なら大丈夫」
「固定費を5万円下げれば余裕ができる」
「次の仕事を決めてから辞めたほうがいい」
と、自分の状況に合わせて判断できるようになります。
我慢を続ける前に確認してほしいこと
ここまで対処しても、状況が改善しないこともあります。
そして、仕事のストレスが強くなると、
・ 眠れない
・ 動悸がする
・ 食欲が落ちる
・ 出勤することを考えると強い不安が出る
・ 休日も仕事のことばかり考えてしまう
・ 家族との時間にも影響が出る
といった変化が現れることがあります。
ここまで来たら、「もう少し頑張れば何とかなる」と我慢を続けることだけが選択肢ではありません。
必要であれば、医療機関への相談や休職も選択肢に入れてみてください。
退職を決める前には、
① 今の生活費を把握しているか
② 利用できる制度を確認したか
③ 退職後の生活をある程度想定できているか
④ 異動・休職・転職など、ほかの選択肢も考えたか
この4つを確認してみてください。
そのうえで「今の職場を離れたほうがいい」と判断するのであれば、退職も自分を守るための一つの選択です。
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師長と合わないときは、自分を守る選択肢を持つ
私自身、長く看護師として働く中で、上司と合わないと感じたことは何度もあります。
昔から「顔が優しそう」「話し方が穏やか」と言われることが多く、関係を悪くしたくない気持ちから、理不尽だと思っても自分の中に飲み込んできました。
「自分が我慢すればいい」
そう考えていた時期もあります。
でも、長く働いてきた今感じるのは、優しさと我慢は同じではないということです。
師長との関係に悩んだときも、すぐに「我慢する」「辞める」の二択で考える必要はありません。
何がつらいのかを整理し、異動や勤務変更、転職など、自分を守る選択肢を持っておく。
今の師長とうまくいかないからといって、これまで積み上げてきた経験まで否定されるわけではありません。
若い頃の自分に言えるのであれば、「もう少し自分を守って働いてもいい」と伝えたいです。


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