「看護師になったばかりだけど、もう辞めたい」
「周りはできているのに、自分だけできていない気がする」
新人看護師として働き始めると、想像していた以上に大変だと感じることがあります。
覚えることは多く、先輩には気を使い、患者さんの命を預かる責任もあります。
私自身、長く看護師として働いてきましたが、新人の頃から自信を持って何でもできたわけではありません。
新人看護師がつらいと感じるのには、それなりの理由があります。
この記事では、新人看護師が「辞めたい」と感じやすい7つの理由と、つらいときにどう考えればいいのかを紹介します。
新人看護師が辞めたいと感じる7つの理由
「辞めたい」と感じる理由は、一つではありません。
まずは、多くの新人看護師がつまずきやすい7つの理由を見ていきます。
① 仕事が覚えられない
新人の頃は、とにかく覚えることが多くあります。
処置、記録、患者対応、薬、検査、報告・連絡・相談。
一つ覚えたと思ったら、また新しいことが出てきます。
「何回聞いても覚えられない」
「自分だけ仕事が遅い」
そう感じることもあると思います。でも、最初からすべてできる必要はありません。
分からないことをそのままにせず、メモを取る、確認する、同じ失敗を繰り返さない。
新人の頃は、できること以上に学ぼうとする姿勢も大切です。
② 人間関係がつらい
仕事そのものより、人間関係がつらくて辞めたくなることもあります。
看護の現場は忙しく、先輩から強い言い方をされたり、質問しにくい雰囲気があったりする職場もあります。そんな状況が続けば、出勤すること自体がつらくなってしまいます。
すべての人とうまく付き合う必要はありません。
まずは一人でもいいので、話しやすい先輩や同僚を見つけてみてください。
人間関係で消耗しやすい方は、こちらも参考になります。
▶︎ 40代看護師が職場の人間関係で消耗しないための3つの境界線
▶︎ 心の境界線(バウンダリー)とは?優しい人ほど壊れやすい理由と作り方
③ ミスをするのが怖い
看護師の仕事には、患者さんの命に関わる責任があります。
そのため、「もし間違えたらどうしよう」という不安を抱えるのは自然なことです。
分からなければ確認する。
迷ったら立ち止まる。
一人で判断できなければ相談する。
こうした行動を習慣にすることが、患者さんと自分自身を守ることにつながります。
④ 夜勤がつらい
夜勤も大きな負担になります。
生活リズムが変わるため、
・眠れない
・疲れが抜けない
・夜勤明けもだるい
と感じることがあります。
夜勤に慣れるまでには時間が必要です。
夜勤明けに予定を詰め込みすぎず、睡眠や食事を含めて「どう回復するか」を考えることも大切です。
⑤ 思っていた看護ができない
「もっと患者さんと話したかった」
「一人ひとりに丁寧に関わりたかった」
そう思って看護師になった人もいるでしょう。
しかし実際の病棟では、ナースコール、処置、記録、入退院などに追われます。
理想と現実の違いに、「こんなはずじゃなかった」と感じることもあります。
新人のうちは、まず安全に仕事をすることが大切です。
仕事に慣れて余裕が出てくると、自分がやりたかった看護について考えられる場面も少しずつ増えていきます。
⑥ 体力的にきつい
看護師は体力も使います。長時間の立ち仕事に加えて、患者さんの介助や夜勤もあります。
さらに新人の頃は、常に周囲に気を使っているため、精神的にも疲れます。
休みの日まで勉強しなければと考える人もいますが、疲れているときには休むことも必要です。
⑦ 「看護師に向いていない」と思ってしまう
同期が自分より仕事を覚えるのが早い。
先輩から注意される。
ミスをして落ち込む。
そんなことが続くと、「自分は看護師に向いていないのではないか」と思うことがあります。
でも、仕事を覚える速さだけで看護師としての向き不向きは決まりません。
患者さんの話を聞ける人。
小さな変化に気づける人。
慎重に確認できる人。
看護師にはさまざまな強みがあります。
今できないことだけを見て、自分には向いていないと決めてしまう必要はありません。
「とにかく1年続ける」が正解とは限らない
以前のこの記事では、「まずは1年続けること」を一つの目標として書いていました。でも、私は必ずしも1年続けなければいけないとは思いません。
仕事に慣れていないからつらいのであれば、もう少し続けることで楽になる可能性はあります。
一方で、
・ 出勤することを考えるだけで強い苦痛がある
・ 眠れない、食べられない状態が続いている
・ 職場でハラスメントを受けている
・ 相談しても状況が変わらない
といった場合まで、無理に「新人だから我慢しよう」と考える必要はありません。
部署を変える、上司に相談する、休む、転職する。
続けることだけが選択肢ではありません。
大切なのは、勢いだけで辞めることでも、限界まで我慢することでもなく、自分が何につらさを感じているのかを一度整理することだと思います。
看護師が長く働ける職場を作ることも大切
先日、昔の看護師仲間と話す機会がありました。
その中に、グループホームを経営しながら訪問看護ステーションを立ち上げた人がいました。
話を聞いて印象に残ったのが、「看護師を採用しても、すぐ辞めてしまうことがある」という話でした。
人材紹介会社などを利用して採用すれば、事業所側にも採用コストがかかります。せっかく採用しても短期間で退職してしまえば、また一から採用しなければなりません。
この話を聞いて、私自身もこれから訪問看護ステーションの開業を考えるうえで、「どうやって看護師を集めるか」だけではなく、「どうしたら長く働いてもらえるか」を考える必要があると感じました。
すぐ辞めることを、本人の根性や忍耐力だけの問題にするのは違うと思います。
質問しやすいか。
困ったときに相談できるか。
失敗したときに一緒に振り返れるか。
無理な働き方になっていないか。
長く働くためには、本人の努力だけではなく、安心して働き続けられる職場環境も大切です。
今回、実際に事業を始めた人の話を聞いて、私自身も「看護師を採用すること」だけではなく、「長く働いてもらえる職場をどう作るか」まで考える必要があると改めて感じました。


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