なぜネガティブ思考は止まらない?原因と考えすぎから抜け出す5つの対処法

テーブルに座り、手を額に当てて考え込む女性の様子 メンタル・思考
考えすぎてしまうとき、それは脳の仕組みが影響している

「ネガティブ思考が止まらない」

「考えても仕方ないと分かっているのに、何度も考えてしまう」

そんなことはありませんか。

嫌なことを言われたときや、仕事で失敗したとき。

「なんであんな言い方をされたんだろう」
「自分の対応が悪かったのかな」

気づけば、同じことを何度も考えてしまうことがあります。

こうした考えすぎには、性格だけではなく、脳の働きやストレス、疲労なども関係しています。

この記事では、ネガティブ思考が止まらなくなる理由と、思考のループから抜け出す方法を紹介します。


ネガティブ思考が止まらないのはなぜ?

人は、良い出来事よりも悪い出来事に注意を向けやすい傾向があります。これは「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれています。

たとえば、

・ 褒められたことより注意されたことが残る
・ 楽しかったことより失敗を思い出す
・ これから起こる悪いことを想像する

といったことです。

危険や失敗に注意を向けることは、自分を守るうえで必要な働きでもあります。そのため、ネガティブなことを考えること自体が問題なのではありません。

問題になるのは、同じことを何度も考え続けて、そこから抜け出せなくなることです。

同じことを何度も考えてしまう背景には、無意識に浮かんでくる「自動思考」が関係していることもあります。
▶︎ 自分を責めてしまう人の思考修正法|認知行動療法で整える「自動思考」の扱い方


ネガティブ思考が止まりにくくなる3つの仕組み

考えすぎが続く背景には、ストレスや睡眠不足などによる脳の働きの変化も関係しています。


① 脳は「嫌なこと」を気にしやすい

人の脳には、危険や不安にすぐ気づく仕組みがあります。

たとえば、誰かに少し冷たい態度を取られただけでも、「嫌われた?」「何か悪いことしたかな?」と考えてしまうことがあります。

これは、自分を守ろうとする脳の働きでもあります。

このときに関係しているのが「扁桃体」と呼ばれる部分です。

ストレスがたまっていると、いつもなら気にならないことまで気になりやすくなります。


② 疲れていると「まあいいか」が難しくなる

元気なときなら、「考えても仕方ないか」と切り替えられることでも、疲れていると引きずってしまうことがあります。

特に、寝不足や強いストレスが続いているときは、気持ちを切り替えるのが難しくなります。

脳には、考えを整理したり感情を調整したりする「前頭前野」という部分があります。簡単にいえば、考えすぎにブレーキをかける役割です。

疲れている夜に嫌なことを思い出しやすいのは、こうした脳の働きも関係しています。


③ 暇になると、脳は勝手に考え始める

寝る前やぼーっとしているときに、急に嫌なことを思い出すことはありませんか。脳は、何もしていないときでも、過去を思い出したり、これからのことを考えたりしています。

この働きに関係するのが「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」です。

そのため、「あのとき、こうすればよかった」「明日も嫌なことがあったらどうしよう」と、何もしていないときほど考えがぐるぐるしてしまうことがあります。


ネガティブ思考から抜け出す5つの方法

① 頭の中から外に出す

考えが止まらないときは、紙やスマホに書いてみます。

「何が起きた?」
「自分は何を心配している?」
「今できることはある?」

この3つだけでも構いません。

頭の中だけで考え続けるより、状況を整理しやすくなります。


② 少し体を動かす

考えすぎているときは、頭だけで解決しようとしないことも大切です。

・ 外の空気を吸う
・ ストレッチする
・ 何でもいいから体を動かす

体を動かすことで、いったん考え事から注意を離しやすくなります。


③ 「また考えている」と気づく

ネガティブな考えが出てきたら、「また考えすぎているな」と気づくだけでも構いません。

無理に考えを消そうとするのではなく、少し離れたところから自分の思考を見るイメージです。


④ 疲れているときは寝る

夜になると、昼間より悪い方向に考えてしまうことがあります。

そんなときに無理に答えを出そうとせず、「今日は疲れているから、明日考えよう」と区切ることも大切です。

睡眠不足や疲労が続いているなら、まず体を休ませることを優先します。


⑤ 「答えが出ない問題」から離れる

人間関係には、考えても答えが出ないことがあります。

「なぜあの人はあんな言い方をしたのか」
「自分のことをどう思っているのか」

本人にしか分からないことを考え続けても、答えは出ません。

そんなときは、「これは今考えても答えが出ない」と区切ってしまうのも一つの方法です。

ネガティブ思考が続いて気持ちまで落ち込んでしまうときは、無意識に落ち込みを長引かせる行動をしていることもあります。
▶︎ 落ち込んだときにやってはいけない行動7選|原因とメンタル回復法


ネガティブ思考は「止める」より「離れる」

ネガティブなことを考えてしまうのは、人間として自然なことです。

大切なのは、無理に考えないようにすることではありません。

「また同じことを考えているな」と気づいたら、

・ 書き出す
・ 体を動かす
・ いったん寝る
・ 答えの出ない問題から離れる

など、いったん思考から距離を取ってみてください。

考えて解決することと、考え続けて消耗することは違います。

ネガティブ思考をなくすのではなく、考えすぎたときに少し離れる。それだけでも、思考のループから抜け出しやすくなります。

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