誰だって、ミスをしようと思ってミスをしているわけではありません。
それでも失敗したときに強く注意されたり、責められたりすると、やっぱりつらいものです。
そしていつの間にか、「自分が悪い」「自分はダメだ」「また失敗するかもしれない」と、自分まで自分を責めるようになることがあります。
でも、ミスをしたことと、「自分はダメな人間だ」ということは別の話です。
この記事では、認知行動療法の考え方をもとに、こうした自分を責める思考に気づき、少しずつ整えていく方法を紹介します。
自分を責めてしまうのはなぜか|思考のクセの正体
自分を責めてしまう人には、共通する思考パターンがあります。
それが「自動思考」です。
自動思考とは、無意識に浮かぶ瞬間的な考えのことです。
たとえば、
・ 上司に指摘された →「自分は能力がない」
・ 返事がそっけなかった →「嫌われているかもしれない」
このように、出来事に対して瞬間的に意味づけをしてしまいます。
問題は、この思考が事実ではなく解釈であることです。
思考のクセについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
▶︎ 認知のゆがみ10パターンとは?思考のクセに気づく心理学【具体例でわかりやすく解説】
なぜ自分を責める思考が強くなるのか
自分を責める思考は、過去の経験や環境によって強化されます。
・ ミスを厳しく指摘されてきた
・ 評価される環境にいた
・ 失敗を許されない経験をしてきた
こうした背景があると、間違えること=価値が下がるという思考が定着します。
たとえば、小さなミスをしたときに、強い口調で注意された経験が何度もあると、
「また怒られるかもしれない」
「ちゃんとできない自分はダメだ」
という考えが、無意識に浮かぶようになります。
その結果、小さな出来事でも強く自分を否定する反応が起きやすくなります。
出来事 → 思考 → 感情 → 行動
ミス → 自分はダメだ → 落ち込む → 行動が止まる
思考が変わると、感情と行動も変わります。
自分を責める思考を修正する5つのステップ
まずは、「今、自分はこう考えているんだな」と気づくところから始めます。
ここでは、自分の思考を少しずつ整理する方法を5つに分けて紹介します。
① 思考に気づく
まずは、自分が何を考えているのかに気づくところからです。
たとえば、仕事で注意されたときに、「自分はダメだ」と思ったら、「今、自分を責めているな」と気づくだけでも構いません。
無理に考えを変えようとせず、まずは自分の思考に気づいてみます。
② 事実と解釈を分ける
次に、「実際に起きたこと」と「自分がどう受け取ったか」を分けてみます。
たとえば、
「仕事でミスをした」→ 事実
「自分は能力がない」→ 解釈
です。
ミスをしたことと、自分自身の価値は別の話です。
「これは事実かな?それとも自分の解釈かな?」と考えてみるだけでも、見え方が変わることがあります。
③ 別の見方を考える
一つの出来事にも、いろいろな見方があります。
たとえば、上司の反応が冷たかったとき、「嫌われている」と思うかもしれません。
でも、「忙しかったのかもしれない」「たまたま余裕がなかったのかもしれない」という可能性もあります。
「ほかの見方はないかな?」と考えてみることが大切です。
④ 自分への言葉を変える
自分を責める言葉が浮かんだら、少しだけ言い換えてみます。
「自分はダメだ」ではなく、「次はどうすれば防げるかな」と考えてみる。
無理に前向きになる必要はありません。
自分を責めることから、「次にどうするか」へ少し視点を移すだけでも十分です。
⑤ 小さく行動してみる
うまくいかないと、「もうやめよう」と行動まで止めたくなることがあります。
そんなときは、できることを小さくしてみます。
「全部やる」ではなく「1分だけやる」。
「もう無理」ではなく「やり方を一つ変えてみる」。
完璧にできなくても、また少し動き出せれば十分です。
思考だけでなく、日々の考え方を整えたい方はこちらもおすすめです。
▶︎ 人生が変わる人の思考習慣|うまくいかない原因は“思考のクセ”にある
大切なのは、自分を責め続けることではない
ミスをしたり、嫌なことが起きたりすることは誰にでもあります。
そのときに「自分はダメだ」と責め続けても、起きたことは変わりません。
大切なのは、そこからどうするかだと思っています。
同じことが起きないように工夫する。
必要なことは振り返る。
そして、次にできることを考える。
失敗した自分を否定するのではなく、その経験をこれからの自分に活かしていく。
そんな考え方を大切にしたいと思っています。


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