訪問看護というと、「自由そう」「病棟より楽そう」「人間関係もラクそう」
そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
でも実際に働いてみると、一人で利用者さんの自宅を訪問し、その場で判断や対応を求められることも多い仕事です。
もちろん、大変なことばかりではありません。訪問看護だからこそ感じられるやりがいもあります。
この記事では、現役の訪問看護師として実際に働いて感じた、「向いてる人」「向いてない人」の特徴を率直に紹介します。
訪問看護に向いてる人の特徴
訪問看護は、一人で利用者さんと向き合う時間が多い仕事です。
実際に働いて感じた、訪問看護に向いている人の特徴を紹介します。
① 一人でも落ち着いて対応できる人
訪問看護は、基本的に利用者さんと一対一です。
病棟なら、困った時に近くのスタッフへ相談したり、フォローしてもらったりできます。しかし訪問では、その場にいるのは自分一人です。
利用者さんの機嫌が悪かったり、強い口調で話されたりしても、まずは自分で対応しなければならないことがあります。
そんな時でも、相手を刺激せず、落ち着いて対応できる人は訪問看護に向いていると思います。
② 判断に迷った時に相談できる人
訪問では、「この対応でいいのかな」「自分だけで判断していいのかな」と迷うことがあります。
一人で訪問するからこそ、分からない時に事業所へ連絡して相談することが大切です。
もちろん、その場ですぐに連絡できないこともあります。
それでも、一人で抱え込まず、必要な時に人を頼れることは訪問看護で大切な力だと感じます。
③ 気持ちを切り替えられる人
訪問では、利用者さんから強い言葉を言われたり、思うように関係を作れなかったりすることもあります。
こちらも人間なので、傷つくことはあります。
それでも、次の訪問まで引きずらず、「次は次」と気持ちを切り替えられること。
長く訪問看護を続けるためには、この切り替える力も大切です。
④ 一人で動くことが苦にならない人
訪問看護では、車での移動も訪問も基本的に一人です。
病棟のように、常に周りにスタッフがいる環境ではありません。
そのため、一人で行動することを、「気楽でいい」「自分のペースで動きやすい」と思える人には、訪問看護という働き方が合いやすいと思います。
訪問看護に向いてない人の特徴
訪問看護は、一人で動く時間が多いからこそ、合う・合わないが出やすい仕事だと思います。
ここでは、実際に働いて感じた3つの特徴を紹介します。
① 一人で抱え込んでしまう人
訪問では、一人で判断に迷う場面があります。
そんな時に、
・誰にも相談できない
・分からなくても一人で判断する
・全部自分で背負ってしまう
という人は、負担が大きくなりやすいです。
一人で訪問する仕事だからこそ、困った時に相談できることが大切です。
② 嫌なことを引きずってしまう人
時には、利用者さんから強い言葉を言われたり、思うような関係を作れなかったりすることもあります。
それを家に帰ってからもずっと考えていると、少しずつ疲れてしまいます。
もちろん傷つくことはあります。
ただ、仕事が終わったら気持ちを切り替えることも、訪問看護を続けるうえでは大切です。
③ 一人で動くことに強い不安がある人
病棟では、困った時に近くの看護師へすぐ相談できます。
訪問看護では基本的に一人で利用者さんの自宅へ行くため、その場では自分で考えて対応しなければならないこともあります。
もちろん、必要な時は事業所へ連絡して相談できます。それでも、常に誰かが隣にいる環境ではないという点は、病棟との大きな違いです。
一人で動くことに強い不安がある人は、最初は戸惑うかもしれません。
「40代でこのままでいいのか」と感じた時の働き方については、こちらの記事でも詳しく書いています。
▶︎ 40代看護師が「このままでいいのか」と感じたときに考えるべき働き方
実際に働いて感じた訪問看護の大変さ
訪問看護で大変だと感じるのは、一人で対応しなければならない場面です。
利用者さんから暴言や威圧的な態度を受けても、その場にいるのは自分一人。
相手を刺激しないように言葉を選びながら、なんとか訪問を終える。帰りの車でドッと疲れることもあります。
さらに後から、「なんで連絡しなかったの?」と言われると、「その場では、それどころじゃなかったんだよ……」と思うことも正直あります。
一人で動く時間が多いからこそ、判断や対応に悩むこともある。
これは実際に訪問看護で働いて感じた大変さの一つです。
それでも訪問看護を続けている理由
訪問看護は大変なこともあります。一人で判断したり、利用者さんとの関係に悩んだりすることもあります。
それでも、何度も訪問する中で少しずつ信頼関係ができ、
「ありがとう」
「あなただから話せる」
そんな言葉をもらえることがあります。
病院とは違い、訪問看護ではその人の生活の中に入り、じっくり関わることができます。
一人ひとりの生活に寄り添い、その人らしく暮らせるよう支えていく。
そこに、訪問看護ならではのやりがいを感じています。
訪問看護に向いているかより、自分に合っているか
訪問看護は、一人で判断する場面も多く、責任のある仕事です。
利用者さんとの関係に悩んだり、訪問が終わったあとに「これでよかったのかな」と考えたりすることもあります。
決して楽な仕事ではありません。
それでも、
・「ありがとう」と言ってもらえる
・ 少しずつ信頼関係ができていく
・ その人らしい生活を支えられる
そんな訪問看護だからこそのやりがいもあります。
そして大切なのは、「向いている・向いていない」だけで自分を決めつけないことだと思います。
一人での訪問が苦手でも、経験を重ねれば慣れることがあります。判断に迷っても、相談しながら覚えていけばいい。
最初から完璧にできる必要はありません。
実際に働いてみて、「自分には合っている」と思えば続ければいい。
「やっぱり合わない」と思ったら、病棟や別の分野に戻る選択肢もあります。
看護師には、いろいろな働き方があります。「訪問看護に向いているか」だけではなく、「自分はどんな看護をしたいのか」。そこを考えることのほうが、大切なのかもしれません。
自分の働き方は、自分で選んでいいのだと思います。


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