「今の仕事を辞めたい」
「この環境から離れたい」
「新しいことを始めてみたい」
そう思っているのに、なかなか動けないことがあります。今の環境に不満があっても、いざ変えようとすると怖くなる。
転職や引っ越し、独立など、環境を変える場面は人生の中にいくつもあります。
環境を変えれば、今より良くなるかもしれません。しかし、必ずうまくいく保証はありません。
私自身、これまで何度も転職を経験してきました。新しい環境へ移るときには、不安を感じることもありました。
では、なぜ人は今の環境に不満があっても、そこに留まり続けてしまうのでしょうか。
今回は、心理学の「現状維持バイアス」と「サンクコスト効果」をもとに、環境を変えることへの不安について考えていきます。
環境を変えたいのに動けない2つの心理
① 現状維持バイアス|慣れた環境を選んでしまう
今の環境に不満があるなら、そこから離れればいい。
外から見れば簡単に思えるかもしれませんが、実際にはそんなに単純ではありません。
転職したら、もっと大変な職場かもしれない。
引っ越したら、生活しにくくなるかもしれない。
独立しても、うまくいかないかもしれない。
まだ経験していない未来は、どうなるのか分かりません。
一方、今の環境には不満があっても、ある程度は先を予測できます。
どんな仕事をするのか。
誰と関わるのか。
毎月どのくらい収入があるのか。
心理学では、こうした状況で現在の状態を維持する選択を好みやすい傾向を「現状維持バイアス」と呼びます。
今の環境が自分に合っているかどうかとは別に、変化による不安や負担を避けようとして、慣れた環境を選んでしまうことがあります。
② サンクコスト効果|これまでの努力を手放せない
もう一つ、環境を変えにくくする心理に「サンクコスト効果」があります。
サンクコストとは、すでに費やして取り戻すことのできない時間やお金などのことです。
例えば、長年勤めてきた会社に不満があっても、「ここまで頑張ってきたのだから、今さら辞めるのはもったいない」と考えてしまうことがあります。
これまで積み重ねてきた経験や努力を無駄にしたくないという気持ちが、今後の選択に影響するのです。
もちろん、長年働いてきた経験には価値があります。ただ、これまで続けてきたという理由だけで、これからも続けなければならないわけではありません。
これまで続けてきたことが、これからも続ける理由になるとは限りません。
これからの人生を基準に考える
環境を変えることに不安を感じるのは、自然なことだと思います。
ただ、慣れているから、今まで頑張ってきたからという理由だけで、同じ場所に留まり続ける必要はありません。
「もし今日、初めてこの環境を選ぶとしたら、それでも同じ場所を選ぶだろうか?」
環境を変えるか迷ったときは、一度そう考えてみる。
これまで積み重ねてきた経験を否定するのではなく、これからの自分にとって何が良い選択なのかを考えていきたいと思います。


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