新しいことに挑戦したいと思っていても、自信が持てず、なかなか行動に移せないことがあります。
失敗への不安や、自分にできるか分からないという気持ちから、最初の一歩をためらってしまう。
私自身も、これまで新しいことを始める前には、考えすぎて行動できないことがありました。
心理学には、こうした行動への自信に関係する「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」という考え方があります。
この記事では、自己効力感とは何か、そして自信を育てるためにできる3つの方法を紹介します。
自己効力感とは?自信が行動に影響する理由
自己効力感とは、心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、「自分にはその行動ができる」という見通しや感覚を指します。
例えば、初めての仕事を任されたとき、「自分には無理だ」と思う場合と、「難しそうだけど、やってみよう」と思う場合では、行動への向き合い方が変わることがあります。
自己効力感が高い人は、難しい課題にも挑戦しやすく、うまくいかなかったときも工夫して続けようとする傾向があります。
バンデューラは、自己効力感に影響する主な要因として、次の4つを挙げています。
- 達成経験:自分で行動し、できたという経験
- 代理経験:他人の成功や取り組みを見て、自分にもできそうだと感じる経験
- 言語的説得:周囲からの励ましや助言
- 生理的・情動的状態:緊張や不安、体調などの状態
自己効力感は、生まれつき決まっているものではありません。経験や周囲との関わりによって変化します。
自己効力感を高める3つの方法
① 自分で「できた」という経験を積む
自己効力感を育てるうえで、特に重要とされるのが達成経験です。
例えば、初めての仕事を一つ覚えた。苦手だったことが少しできるようになった。こうした経験は、「次もできるかもしれない」という感覚につながります。
最初から難しいことに挑戦する必要はありません。今の自分が取り組める課題を決め、実際にやってみる。
自分でできたという経験を重ねることが、自己効力感を育てる方法の一つです。
② できている人の行動を参考にする
自分が経験していないことでも、他人の取り組みを見ることで「自分にもできそうだ」と感じることがあります。
これを心理学では「代理経験」と呼びます。
例えば、転職を考えているなら、実際に転職した人の体験談を読む。独立を目指しているなら、同じ業界で開業した人の話を聞いてみる。
自分と近い立場の人がどのように取り組んだのかを知ることで、行動のイメージが具体的になります。
他人と自分を比べて落ち込む必要はありません。結果だけを見るのではなく、その人がどのような準備や工夫をしてきたのかを知り、自分にも取り入れられることを探してみます。
③ 失敗した経験を次の行動に生かす
行動しても、必ず成功するわけではありません。
うまくいかなかったときに、「やっぱり自分には無理だ」と考えてしまうこともあります。
何が難しかったのか、次に変えられることはないかを振り返ってみます。
例えば、初めての仕事で失敗したなら、準備が足りなかったのか、経験が必要だったのかを考える。
失敗した経験そのものが自信になるとは限りません。失敗から学び、次の行動で少しでも改善できた経験が、自己効力感につながることがあります。
自信がなくても、行動は始められる
私自身、現在は独立に向けて準備を進めています。
初めてのことばかりで、分からないことも多く、不安がなくなったわけではありません。
必要な手続きを調べたり、経験者の話を参考にしたりしながら、少しずつ準備を進めています。
以前よりも、「自分にもできるかもしれない」と感じる場面が増えてきました。
自信がつくまで待つのではなく、経験を通して自信を育てていく。
これからも、実際に行動しながら、自分にできることを増やしていきたいと思います。
参考文献
Bandura, A. (1977). Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review, 84(2), 191–215.


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