続けることが正解とは限らない|サンクコスト効果から考える環境の変え方

鏡の前で自分を見つめる眼鏡をかけた女性 メンタル・思考

努力を続けているのに、なかなか結果が出ない。

それでも、これまで頑張ってきたことを考えると、途中でやめるのはもったいないと感じることがあります。

私自身、結婚相談所で1年半以上婚活を続けてきました。

真剣交際まで進んだこともありましたが、結婚には至りませんでした。

活動を続けるうちに、希望する地域や年齢層で新しく出会える人も少なくなり、婚活そのものに行き詰まりを感じるようになりました。

そこで結婚相談所を休会し、マッチングアプリのOmiaiを始めることにしました。

すると、これまでとは違う人たちと出会うことができ、想像以上に多くの反応をもらえたのです。

この経験から、努力を続けることだけが正解ではなく、ときには方法を変えることも必要だと感じました。


頑張ってきたことを手放せない心理

心理学や行動経済学には「サンクコスト効果(埋没費用効果)」という考え方があります。

すでに費やした時間やお金、労力が惜しくなり、今後の判断にも影響してしまう心理です。

例えば、長く勤めている職場で、人間関係に悩んでいるとします。

転職したい気持ちはあっても、「ここまで頑張ってきたのだから、今さら辞めるのはもったいない」と考えてしまうことがあります。

私も結婚相談所で活動していた頃、これまでの経験や費用を考えると、簡単には別の方法へ切り替えられませんでした。

結婚相談所には、独身証明書や収入証明書の提出、仲人によるサポートなど、多くのメリットがあります。

そのため、真剣に結婚を考えるなら、結婚相談所が一番よいと思っていました。

しかし、長く活動しているうちに、以前申し込んだ人や、すでにプロフィールを確認した人が増えていきました。

結婚したい気持ちは変わらないのに、新しい出会いにつながらない。それでも、これまで続けてきた婚活方法を変えることには抵抗がありました。


環境を変えたことで結果が変わった

結婚相談所を休会したあと、私はOmiaiに登録しました。

最初に驚いたのは、結婚相談所では見たことのない人が数多く登録していたことです。

希望する地域や年齢で検索しても、新しいプロフィールが次々と表示されました。

結婚相談所では、100人に申し込んでもお見合いが成立するのは1件か2件という時期もありました。

Omiaiでは、活動を始めた頃に10人ほどへメッセージを送り、7人以上から返事をもらえた印象があります。

もちろん、これは私個人の経験であり、誰でも同じ結果になるわけではありません。

また、お見合いの成立とメッセージの返信では、比較している段階も異なります。

それでも、活動する場所を変えたことで、これまでとは違う反応が得られたことは確かです。

その後、一人の女性とLINEを交換し、電話で話す関係にまで進みました。

結婚相談所で結果が出なかったからといって、自分に魅力がないわけではない。

活動する場所によって、出会える人や反応が変わることを実感しました。


続けるか変えるかを判断する3つの方法

努力しても結果が出ないとき、すぐに諦める必要はありません。

今の方法を続けることに意味がある場合もあります。

迷ったときには、次の3つを判断材料にしています。


① これまでの努力と、これからの可能性を分ける

サンクコスト効果に影響されないためには、過去に費やした時間やお金と、これから得られる結果を分けて考えることが役立ちます。

例えば、今の職場に10年勤めていたとしても、それだけで今後も働き続ける理由になるとは限りません。

これまでの経験は自分の財産として残ります。

そのうえで、今の環境で働き続けることが、自分の望む将来につながるのかを考える。

過去の努力を無駄にしないことと、同じ場所に居続けることは別です。


② 目的と手段を分けて考える

私が婚活を始めた目的は、結婚相談所で成婚することではありません。

再婚して、安心できる家庭を築くことでした。

結婚相談所は、その目的を実現するための一つの方法です。

仕事でも同じことがいえます。

例えば、経済的に自立することが目的なら、今の職場で昇進する以外にも、転職や独立などの選択肢があります。

今取り組んでいる方法そのものが、目的になっていないか。

本来の目的を確認することで、別の選択肢も見えてきます。


③ 今の環境を変えずに、別の方法を試す

環境を変えるというと、退職や引っ越しなど、大きな決断を想像するかもしれません。

しかし、必ずしも今の環境をすべて手放す必要はありません。

私の場合、結婚相談所を退会せず、休会という方法を選びました。

再び活動したくなれば戻れる状態を残しながら、別の婚活方法を試したのです。

仕事であれば、今の職場で働きながら転職先の情報を集めることもできます。

新しいことを始める際も、いきなり生活を大きく変えるのではなく、現在の環境で試せることから始められます。

選択肢を残しておくことで、環境を変えることへの不安も小さくなる場合があります。


これまでの努力は無駄にならない

続けることには価値があります。

しかし、同じ方法を続けることだけが努力ではありません。

今までの経験を生かしながら、別の方法を選ぶ柔軟さを持ちたいと思います。

参考文献

Arkes, H. R., & Blumer, C.(1985)
The Psychology of Sunk Cost.
Organizational Behavior and Human Decision Processes, 35(1), 124–140.

コメント

タイトルとURLをコピーしました