訪問看護ステーションを開業しようと考えたとき、僕がかなり疑問に感じたことがあります。
それが、「看護師って、いつ採用するんだろう?」ということです。
まだ会社も作っていない。
当然、訪問看護ステーションとしての指定も受けていない。
利用者さんも0人。
そんな状態で看護師を募集するのか。
最初は、「訪問看護ステーションとして指定を受けてから、看護師を採用するのでは?」と思っていました。
でも、調べていくと順番はそう単純ではありませんでした。むしろ訪問看護ステーションの場合、指定を受けるために看護師の確保が必要になります。
今回は、僕自身が訪問看護ステーションの開業を目指して調べている中で分かった「法人設立・看護師採用・指定申請の順番」について整理してみます。
※僕自身はまだ訪問看護ステーションを開業していません。この記事は、現役の訪問看護師として働きながら、将来の開業に向けて公的資料などを確認している過程をまとめたものです。実際の申請では、開設地域の自治体や厚生局などへ最新の要件を確認してください。
【指定を受けてから看護師を集める、では遅い】
僕が最初に勘違いしていたのがここです。
「まず訪問看護ステーションを作って、それからスタッフを採用すればいい」なんとなく普通の会社なら、この順番のような気がします。
ところが訪問看護ステーションは、指定を受けるために人員基準を満たす必要があります。
指定訪問看護ステーションでは、保健師・看護師・准看護師などの看護職員を常勤換算で2.5人以上配置することが基本です。さらに、そのうち少なくとも1人は常勤である必要があります。
管理者についても原則として常勤の保健師または看護師が必要です。
つまり、「指定を取れたので、これから看護師を探します」ではなく、「このメンバーで訪問看護ステーションを運営します」という体制を作ってから指定申請へ進むイメージになります。
訪問看護ステーションの開業には、看護師の採用だけでなく、人員基準や法人設立、給与、専門家への相談なども準備していく必要があります。
・看護師が何人必要なのか知りたい方は「訪問看護ステーション開設には何人必要?人員基準『常勤換算2.5人』をわかりやすく解説」が参考になります。
・実際に2.5人の看護師をどう集めるのかについては「訪問看護ステーションの2.5人をどう集める?開業を目指す僕が考えている現実的な人員確保」が参考になります。
【でも会社がないのに看護師を雇えるの?】
ここで次の疑問が出てきました。
僕自身、現在はまだ訪問看護ステーションを開業していません。会社もありません。それなのに、「うちの会社で働きませんか?」と言うのも変な話です。
この部分を整理すると、まず訪問看護ステーションの指定を受ける事業者には法人格が必要になります。
株式会社で開業するのであれば、先に株式会社を設立する。その法人を事業主体として、事務所や人員など開業に必要な体制を整えていく。そのうえで指定申請へ進む。
僕はこの順番で考えると、かなり理解しやすくなりました。
【僕が考えている開業までの順番】
現時点で僕が考えている流れは、
※実際には、法人設立・事務所探し・人員確保などを並行して進める場合があります。
という流れです。
もちろん実際には、これらを完全に一つずつ終わらせるわけではなく、並行して進める部分も出てくると思います。
たとえば法人設立の準備をしながら、一緒に働いてくれそうな看護師へ声をかけておく。
事務所を探しながら、人件費を計算する。
指定申請のスケジュールを確認しながら、いつから雇用するのかを決める。
こうした準備を同時進行させることになると考えています。
【開業前の看護師集めは「採用活動」より前から始まっている】
僕の場合、いきなり求人サイトに、「訪問看護師募集」と掲載するところから始めるつもりはありません。
まず考えているのは、自分の周りにいる看護師へ話をしてみることです。以前から付き合いのある看護師の知人もいます。
まずは、
「将来、精神科を中心とした訪問看護ステーションを作ろうと思っている」
「もし興味があれば一緒に働かない?」
という話をしてみる。
もちろん、この段階ではまだ会社もありませんから、正式な採用ではありません。あくまで、「本当に開業するなら働くことを考えてもいい」という人を探しておく段階です。
僕はこれも立派な開業準備だと思っています。
【2.5人をどう確保するかが最初の大きな壁】
訪問看護ステーション開業で難しいと感じているのが、常勤換算2.5人という人員基準です。
自分が看護師だからといって、自分一人では開業できません。仮に自分が常勤1人として働くとしても、残り1.5人分をどう確保するのか考えなければなりません。
全員を常勤にする方法もあります。
常勤と非常勤を組み合わせる方法もあります。
僕としては、開業直後から利用者さんが何十人もいるわけではないので、最初から人件費を大きくしすぎるのも怖いところです。
だからこそ、「人員基準を満たすこと」と、「利用者さんが少ない開業初期の人件費を抑えること」この二つのバランスを考える必要があります。
単純に人数を集めればいいわけではない。
ここが訪問看護ステーションの人員確保の難しさだと感じています。
【採用するときは給与だけでは決まらないと思う】
もちろん給与は重要です。
僕自身も雇われて働いているので、給料が大切なのはよく分かります。ただ、小さな訪問看護ステーションが大手と給与だけで競争するのは難しいと思っています。
そこで僕が大切にしたいのは、
働く時間
休みやすさ
オンコールの負担
人間関係
残業をできるだけ作らないこと
こうした「働きやすさ」です。
特に僕は現在、訪問看護師として働いていて、24時間対応の電話当番も経験しています。
少人数だと当番が頻繁に回ってきます。
だから自分が経営する側になったときには、「スタッフが長く働ける仕組みをどう作るか」をかなり大切にしたいと思っています。
採用することよりも、辞めずに働いてもらえる環境を作ることの方が、長期的には重要なのかもしれません。
【社労士には何を相談する?】
ここも僕がこれから実際に相談したいところです。
会社を作って人を雇うとなれば、
雇用契約
労働条件通知書
就業規則
給与
社会保険
労働保険
有給休暇
労働時間
など、雇用に関するさまざまな手続きが出てきます。
僕は看護師なので、看護については分かります。
でも労務管理の専門家ではありません。
「開業予定日はこの日です」
「常勤○人、非常勤○人で始めたいです」
「給与はこれくらいを考えています」
「いつから雇用契約を結べばいいですか?」
「開業前の期間の給与はどう考えればいいですか?」
こうしたことを社労士に相談しながら決めていくつもりです。
【税理士には人件費を含めた資金計画を相談したい】
税理士には、採用そのものというより、お金の部分を相談したいと考えています。
たとえば、
スタッフを3人雇ったら毎月いくら必要なのか。
給与以外に会社が負担する社会保険料はいくらになるのか。
利用者さんが何人になれば人件費を賄えるのか。
開業資金をどれくらい残しておけばいいのか。
こうした数字です。
訪問看護ステーションは、人がいなければ指定を受けられません。しかし、人を雇えば利用者さんが0人でも人件費は発生します。
ここが開業初期の大きなリスクだと思っています。
だから僕は、「この人員で始めた場合、利用者0人から何か月耐えられるのか」まで計算してから採用したいと考えています。
【一番怖いのは採用したのに開業できないこと】
僕がもう一つ気になっているのが、この問題です。
看護師に、「○月から働いてください」とお願いした。
その人は今の職場を退職した。
ところが、こちらの開業準備が遅れて指定開始日がずれてしまった。これは絶対に避けたいと思っています。
働く側には生活があります。住宅ローンがある人もいれば、家族を養っている人もいます。自分の開業のために来てくれた人の生活を不安定にしてはいけません。
だからこそ、
「いつ会社を作るのか」
「いつ事務所を契約するのか」
「いつ指定申請するのか」
「いつから雇用するのか」
「いつ給与が発生するのか」
このスケジュールを専門家や申請先に確認したうえで、正式な採用へ進みたいと思っています。
【会社を作る前から人とのつながりは作れる】
この記事を書きながら改めて思ったのですが、会社を作っていなくても、人を集める準備はできます。
友人に話してみる。
以前一緒に働いていた看護師に相談する。
訪問看護に興味がある人を探す。
自分がどんなステーションを作りたいのか伝える。
こうしたことは今日からでもできます。
そして法人を設立したら、勤務条件や給与などを具体化し、正式な採用・雇用へ進めていく。
僕の場合は、「精神科を中心にした訪問看護ステーションを作りたい」という方向性があります。
だから単純に資格を持った看護師を2.5人集めればいいとは考えていません。できれば、「この人たちとなら一緒にやっていける」と思える人たちと始めたいです。
【僕はまず専門家に相談するところから始める】
訪問看護ステーションを作ろうと思って調べ始めると、
法人設立。
指定申請。
人員基準。
採用。
社会保険。
給与。
事務所。
資金。
次々と分からないことが出てきます。
最初は、「全部自分で理解してから動かなければ」と思っていました。
でも最近は少し考え方が変わりました。
自分ですべての専門家になる必要はありません。
看護については自分が考える。
法人設立について分からなければ専門家に聞く。
労務については社労士に相談する。
税金や資金繰りについては税理士に相談する。
指定申請について分からなければ、申請先に確認する。
そうやって一つずつ進めればいいのだと思っています。


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