訪問看護ステーション開設には何人必要?人員基準「常勤換算2.5人」をわかりやすく解説

訪問看護ステーションの人員基準「常勤換算2.5人」を解説する記事の看護師イメージ 40代看護師の働き方・お金
訪問看護ステーションの開設には、看護職員を常勤換算2.5人以上配置する必要があります。

訪問看護ステーションを開設してみたい。

そう考えたときに、最初に気になることの一つが、

「そもそも何人いれば訪問看護ステーションを始められるの?」

という人員基準ではないでしょうか。

私自身、精神科訪問看護師として働いていますが、将来的な訪問看護ステーションの開設を考えるようになり、人員基準について改めて調べるようになりました。

そこで今回は、これから訪問看護ステーションの開設を考えている看護師さんに向けて、「常勤換算2.5人とは何なのか」「准看護師は含まれるのか」「作業療法士は人数に入るのか」など、最初につまずきやすいポイントをできるだけシンプルにまとめます。

まず、訪問看護ステーションを開設するためには、看護職員を好きな人数だけ集めればいいわけではありません。

厚生労働省の基準では、訪問看護ステーションには、

看護職員を常勤換算で2.5人以上配置する

ことが必要とされています。

さらに、その看護職員のうち少なくとも1人は常勤でなければなりません。

ここでいう「看護職員」とは、

・保健師
・看護師
・准看護師

などです。

つまり、准看護師も常勤換算2.5人の中に入れることができます。

たとえば、

看護師1人+准看護師1人+非常勤看護師0.5人分

という組み合わせであれば、

1.0+1.0+0.5=2.5

となり、人員基準を満たす形を作ることができます。

ただし、「0.5人」という看護師が存在するわけではありません。

ここで出てくるのが「常勤換算」という考え方です。

たとえば、その訪問看護ステーションで常勤職員が週40時間勤務するとします。

週20時間勤務するパート看護師であれば、

20時間 ÷ 40時間 = 0.5

という考え方になります。

つまり、「パートを1人雇えば0.5」ではなく、その人が実際に何時間勤務するのかが重要になります。

そのため、開設時には勤務時間まで含めて2.5人以上になるように人員を組む必要があります。

では、管理者は誰でもいいのでしょうか。

ここにも重要なルールがあります。

訪問看護ステーションの管理者は、原則として常勤の保健師または看護師である必要があります。

そのため、

「准看護師を管理者にして開業する」

という形は原則できません。

ただし、管理者である看護師が訪問看護業務を兼務することは、管理上支障がない範囲で認められています。

小規模な訪問看護ステーションを開設する場合には、管理者が管理業務だけを行うのではなく、自ら利用者さんのところへ訪問するケースも多いと思います。

ここで、精神科訪問看護を考えている人にとって気になるのが作業療法士(OT)です。

精神科訪問看護では、作業療法士が利用者さんを訪問することもあります。

では、

「看護師1人+准看護師1人+OT1人なら3人いるから開業できるのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、これは違います。

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)は、訪問看護ステーションに配置することはできますが、看護職員の常勤換算2.5人には含まれません。

そのため、

看護師1人=1.0
准看護師1人=1.0
作業療法士1人=2.5人の計算には入らない

となり、この組み合わせだけでは看護職員2.5人の基準を満たしません。

精神科訪問看護ステーションだからOTを入れれば人数を満たせる、というわけではないので注意が必要です。

逆に言えば、開業時から必ずOTを雇わなければならないわけでもありません。

厚生労働省の基準では、PT・OT・STについては訪問看護ステーションの実情に応じた適当数とされています。

そのため、最初は看護職員を中心にスタートして、利用者さんが増えてきてからOTなどを採用するという方法も考えられます。

人員基準を満たすだけでは足りない

訪問看護ステーションは、常勤換算2.5人を満たせば開設できますが、 実際の運営ではスタッフの男女比や利用者さんとの相性も大切だと感じます。

特に精神科訪問看護では、女性利用者さんの場合、 女性スタッフの方が受け入れが良いケースもあります。 女性スタッフは男女どちらの利用者さんにも入りやすい一方で、 男性スタッフは女性利用者さんへの訪問が難しい場面もあります。

また、最低人数ギリギリで運営していると、 1人が退職・休職しただけで人員基準を満たせなくなる可能性があります。 開設時から少し余裕を持った人員配置を考えておくことが、 安定した運営につながると思います。

ここまでをシンプルにまとめると、

訪問看護ステーション開設時の基本

・看護職員は常勤換算2.5人以上
・そのうち少なくとも1人は常勤
・准看護師も2.5人の中に入る
・管理者は原則として常勤の保健師または看護師
・PT、OT、STは看護職員2.5人には含まれない

となります。

私自身も開業について調べ始めた当初は、「2.5人」という数字だけを見ても、具体的にどういう意味なのか分かりにくく感じました。

しかし、

常勤看護師1人+常勤准看護師1人+0.5人分の非常勤看護師

というように実際の勤務体制に置き換えて考えると、かなり分かりやすくなります。

もちろん、人員基準2.5人はあくまで最低限の基準です。

利用者さんが増えれば、訪問件数、記録、緊急時対応、休暇なども考えなければならないため、2.5人だけでずっと運営できるとは限りません。

それでも、これから訪問看護ステーションを始めたい人にとって、

「最低限、何人必要なのか」

を知ることは開業計画の第一歩になると思います。

私自身も精神科訪問看護ステーションの開設について調べながら、実際に必要になる人件費や車両費、電子カルテ、法人設立費用などを一つずつ計算しています。

今後は、人員基準だけではなく、

「訪問看護ステーションを0人から開業する場合、いくら資金が必要なのか」

という開業資金についても、実際の数字を使いながらまとめていきたいと思います。

※人員基準や指定要件は制度改正等によって変更される可能性があります。実際に開設する際には、厚生労働省の最新の基準や、開設予定地域を管轄する指定権者へご確認ください。

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