始める前の自信はどこから来るのか|計画錯誤という心理

海辺の草原に立ち、遠くの景色を眺める男性 メンタル・思考

何か新しいことを始めるとき、根拠はないのに「きっとうまくいくだろう」と思った経験はありませんか。

私自身、結婚相談所に入会した頃は、お見合いを1〜3人程度すれば結婚相手が見つかると思っていました。

特別な根拠があったわけではありません。自分ならそれほど苦労せずに結婚できるだろうと、どこかで考えていたのです。

現実にはたくさんのお見合いを経験し、2人の方と真剣交際まで進みましたが、結婚には至りませんでした。

仕事や転職、副業などでも、始める前の予想と現実が違うことがあります。

なぜ私たちは、まだ経験していないことを簡単に考えてしまうのでしょうか。


始める前は、うまくいく未来を想像しやすい

心理学には「計画錯誤(けいかくさくご)」という考え方があります。

計画錯誤とは、物事に必要な時間や労力を、実際よりも少なく見積もってしまう傾向です。

例えば、新しい仕事を任されたとき、3日あれば終わると思っていたのに、実際には1週間かかってしまう。

副業を始めるときも、半年ほど頑張れば収入が得られると考えていても、思うように結果が出ないことがあります。

私たちは未来を考えるとき、自分が予定している行動や、物事が順調に進む流れを想像しやすくなります。

予想外の問題や、思い通りに進まない可能性までは十分に考えられないことがあるのです。

始める前の自信は、必ずしも現実的な見通しに基づいているとは限らないのです。


見通しを立てるときは「外側の視点」を持つ

計画錯誤を減らすために役立つのが「外側の視点(Outside View)」という考え方です。

これは、自分の予想だけで判断せず、過去の事例や他の人の経験を参考にする方法です。

新しいことを始めるときは、次の3つを確認してみます。

① 似た経験をした人は、実際にどのくらい時間がかかったのか。

② 途中でどのような問題が起きたのか。

③ 自分の予想と現実には、どのくらい違いがありそうか。

自分の予想を信じることも必要ですが、実際の経験や情報を参考にすることで、より現実的な見通しを持ちやすくなります。


始める前の自信を、現実的な見通しにつなげる

新しいことに挑戦するとき、自信があることは行動するきっかけになります。

その自信を持ちながらも、自分の予想だけに頼らず、過去の事例や他の人の経験にも目を向けていきたいと思います。

自信を持って挑戦することと、現実的な見通しを立てることは両立できます。

参考文献

Kahneman, D., & Tversky, A. (1979). Intuitive prediction: Biases and corrective procedures. TIMS Studies in Management Science, 12, 313–327.

Buehler, R., Griffin, D., & Ross, M. (1994). Exploring the “planning fallacy”: Why people underestimate their task completion times. Journal of Personality and Social Psychology, 67(3), 366–381.

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