訪問看護ステーションを開業するなら管理者は何をする?現役訪問看護師が調べて分かった仕事内容

訪問看護ステーションの管理者が利用者とスタッフを支えるイメージ 40代看護師の働き方・お金
訪問看護ステーションの管理者には、利用者さんへの看護だけでなく、スタッフや事業所全体を支える役割があります。

僕は現在、訪問看護師として働いています。

そして将来的に、自分で訪問看護ステーションを開業することを考えています。

開業について調べ始めてから、会社設立、人員基準、指定申請、税理士、社労士、営業先など、分からないことを一つずつ調べるようになりました。

その中で、改めて気になったことがあります。

「そもそも訪問看護ステーションの管理者って、何をするんだろう?」

ということです。

今の職場にも当然、管理者はいます。

でも僕自身は訪問看護師として、担当の利用者さんのところへ訪問して、状態を確認したり、相談に乗ったり、必要に応じて病院や相談員さんと連携したりするのが主な仕事です。

管理者が裏側で行っている仕事を、すべて経験しているわけではありません。

訪問看護師として働くことと、訪問看護ステーションを管理することは、やはり別の仕事なんだと思います。

自分でステーションを開業するのであれば、

「管理者が何をするのか分かりません」

では済みません。

そこで今回は、訪問看護ステーションの管理者について、僕自身が開業準備をしながら調べたことをまとめてみます。


まず分かったのは、訪問看護ステーションの管理者は、単純に「看護師のリーダー」というだけではないということです。

指定訪問看護ステーションでは、原則として常勤の管理者を置く必要があります。

医療保険の指定訪問看護では、原則として保健師、助産師または看護師が管理者になります。また、適切な訪問看護を行うために必要な知識や技能を持っていることも求められています。 

介護保険の訪問看護では、管理者は原則として保健師または看護師とされています。 

ここで僕が気になったのが、

「管理者になったら、もう利用者さんのところには訪問できないの?」

ということでした。

調べてみると、必ずしもそうではありません。

原則として管理者は管理業務に従事しますが、ステーションの管理に支障がない場合には、そのステーションの看護職員など、ほかの職務を兼ねることも認められています。 

これは、自分で小さな訪問看護ステーションを立ち上げようとしている僕にとって、とても重要な部分です。

開業したばかりの頃から、管理者は管理だけ、看護師は訪問だけ、と完全に仕事を分けられるほど人員に余裕があるとは限りません。

自分自身も管理をしながら、必要に応じて利用者さんのところへ訪問する。

おそらく開業当初は、そういう働き方も現実的に考えていくことになると思います。


では、管理者は具体的に何をするのでしょうか。

厚生労働省の基準を確認すると、管理者には、スタッフの管理、利用申込みの調整、業務の実施状況の把握など、ステーション全体を一元的に管理する責任があります。

さらに、スタッフが訪問看護の運営基準を守れるよう、必要な指揮や指導をすることも管理者の役割です。 

これを現場の言葉で考えてみると、

「今日は誰がどの利用者さんを訪問するのか」

「新しい利用者さんを受け入れられるのか」

「スタッフの勤務に無理はないか」

「訪問看護が適切に行われているか」

「何かトラブルが起きていないか」

など、ステーション全体を見る仕事なのだと思います。

僕は普段、一人の訪問看護師として、自分が担当している利用者さんのことを考えています。

でも管理者になれば、

「自分の利用者さん」ではなく「ステーション全体の利用者さんとスタッフ」を見る必要がある。

ここが大きな違いだと感じました。


そして、訪問看護では医師との連携も重要です。

訪問看護は、主治医の指示に基づいて行います。

そのため管理者には、主治医の指示に基づいて適切な訪問看護が行われるよう管理する役割があります。 

これは僕自身、普段の仕事でもイメージしやすいところです。

利用者さんの状態が変化したときには病院やクリニックへ連絡することがありますし、指示内容を確認することもあります。

ただ、管理者になれば、

「自分が連絡したから終わり」

ではありません。

ステーションのスタッフ全体が、医師の指示を正しく理解して訪問できているのか。

そこまで確認する立場になります。

訪問看護ステーションの管理者について調べてみると、管理者の仕事内容だけでなく、人員基準や指定申請、会社設立など、開業までに確認しておかなければならないことがたくさんあると感じます。

僕自身もまだ開業準備の途中ですが、分からないことを一つずつ調べながら、このブログに記録しています。

▶︎ 訪問看護ステーションの開業方法と必要資金を完全解説|失敗しないためのポイント


訪問看護計画書や訪問看護報告書についても同じです。

看護師などが作成する計画書・報告書について、管理者には必要な指導や管理を行う役割があります。 

僕自身も普段、訪問看護の記録を書きます。

雇われて働いていると、

「自分がきちんと記録を書けばいい」

という感覚になりやすいです。

でも管理者になれば、自分の記録だけを見ていればいいわけではありません。

スタッフが適切に記録できているか。

計画書と実際の訪問内容に大きなズレがないか。

報告書がきちんと作成されているか。

そういった部分まで見る必要があります。


さらに調べていくと、管理者の仕事は本当に幅広いと感じます。

スタッフの健康状態や衛生面の管理、事業所の設備・備品の衛生管理なども、基準上、管理者に求められている仕事です。 

また、事業者側には感染症や災害が起きた場合でも訪問看護を継続できるよう、業務継続計画(BCP)を作成し、スタッフへの周知、研修や訓練を行うことも求められています。 

こうして一つずつ調べていくと、

「管理者=スタッフのシフトを作る人」くらいのイメージでは全然足りない

ということが分かってきました。


そして、僕が一番大変そうだと思ったのが、

「人を管理すること」

です。

訪問看護は人が行う仕事です。

看護師一人ひとり、経験も違えば考え方も違います。

利用者さんとの相性もあります。

スタッフ同士の人間関係もあります。

体調不良で急に休むこともあるでしょう。

そのときに訪問を誰に変更するのか。

利用者さんから苦情があったらどう対応するのか。

スタッフから相談されたらどうするのか。

そういうことも管理者が中心になって考えることになります。

これは制度を覚えるだけではできない仕事だと思います。


僕は長く看護師として働いてきました。

でも、

「看護師として経験が長い=良い管理者になれる」

とは限らないと思っています。

看護技術があることと、人をまとめることは違います。

利用者さんとの関係を作ることと、スタッフを育てることも違います。

そして経営者として考えるのであれば、さらにお金のことも考えなければいけません。

利用者さんを受け入れたい。

でもスタッフの人数が足りない。

スタッフを増やしたい。

でも人件費が増える。

訪問件数を増やしたい。

でも一人に訪問を詰め込みすぎればスタッフが疲弊する。

こうしたバランスも考えなければいけないのだと思います。


僕が訪問看護ステーションを開業するとしたら、最初から大きな組織を作るわけではありません。

まずは小さく始めることになると思います。

だからこそ、

管理者。

看護師。

経営者。

営業。

場合によっては事務的な仕事。

いくつもの役割を自分自身が持つ可能性があります。

正直に言えば、調べれば調べるほど、

「管理者って大変だな」

と思います。

でも同時に、

今の段階で知っておいてよかった

とも思います。

開業してから、

「こんな仕事まで管理者がやるなんて知らなかった」

となるより、今から一つずつ理解しておいた方がいいからです。


最近、訪問看護ステーションの開業について調べるとき、僕はノートに分からないことを書き出しています。

会社設立。

人員基準。

指定申請。

税理士。

社労士。

営業先。

そして今回、新しく、

「管理者の仕事」

についても整理しました。

一つ調べると、また分からないことが出てきます。

でも、それでいいと思っています。

以前の記事でも書きましたが、漠然と、

「訪問看護ステーションを開業したい」

と考えているだけでは、不安はなくなりません。

分からないことを一つずつ具体的にして、調べていく。

すると、

「何となく怖い」

という状態から、

「次に何をすればいいのか」

が少しずつ見えてきます。


僕はまだ訪問看護ステーションを開業していません。

管理者として働いた経験があるわけでもありません。

だからこの記事も、

「管理者経験者が教える訪問看護ステーション運営術」

ではありません。

現役の訪問看護師が、自分でステーションを開業するために管理者の仕事を一から調べた記録です。

実際に開業すれば、今調べている以上に大変なことがたくさん出てくると思います。

逆に、

「思っていたより何とかなる」

ということもあるかもしれません。

それも含めて、これからこのブログに残していきたいと思っています。

訪問看護師として利用者さん一人ひとりを見る仕事から、

ステーション全体を見る仕事へ。

経営者になるのであれば、さらにその先まで考える必要があります。

まだ分からないことだらけです。

それでも、一つずつ調べて準備していけばいい。

訪問看護ステーションを作るということは、会社を作るだけではなく、自分自身が「管理する側」になる準備をすることでもある。

今回、管理者の仕事について調べてみて、僕はそう感じました。

そして今は、

「自分ならどんな管理者になりたいのか」

そこまで少しずつ考えていこうと思っています。

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