仕事でちょっとしたミスをしただけなのに、「自分は仕事ができない」と思ってしまう。
相手から返信が来ないだけで、「嫌われたのかもしれない」と不安になる。
実際に起きたこと以上に、悪い方向へ考えてしまうことがあります。
こうした考え方には、「認知のゆがみ」と呼ばれる思考のクセが関係していることがあります。認知のゆがみは特別なものではなく、誰にでも起こり得るものです。
この記事では、代表的な10パターンを身近な例とともに紹介します。
認知のゆがみ10パターン
認知のゆがみとは、出来事を必要以上に悪く受け取ったり、極端に考えたりする「思考のクセ」です。
たとえば、LINEを送ったのに返信が来ないとき。
「忙しいのかもしれない」と思うこともできれば、「嫌われたのかもしれない」「今回もダメになった」と悪い方向に考えてしまうこともあります。
でも、返信が来ない理由はまだ分かりません。
このように、実際に起きたこと以上に悪く考えてしまうのも、認知のゆがみの一つです。
大切なのは、ネガティブな考えをなくすことではなく、「今、自分は悪い方向に考えていないかな?」と気づくことです。
ここからは、代表的な10パターンを見ていきましょう。
① 全か無か思考(白黒思考)
物事を「成功か失敗か」「0か100か」で考えてしまうクセです。
例:
「100点じゃなければ意味がない」
「一度ミスしたから全部ダメだ」
現実には、物事の多くは0か100ではありません。
「できなかった部分もあるけれど、できた部分もある」と考えてみてはどうでしょうか。
「完璧にできなければ意味がない」と考えてしまう方は、こちらも参考にしてください。
▶︎ 完璧にできないならやりたくない|0か100か思考から抜け出す方法
② 過度の一般化
一度や数回の出来事から、「いつもこうなる」「これからも同じだ」と決めつけてしまう考え方です。
例:
好きな人に振られた
→「また振られた。自分はいつも恋愛がうまくいかない」
今回うまくいかなかったからといって、これからの恋愛も同じ結果になるとは限りません。
「今回はうまくいかなかった」と、その出来事だけを見ることが大切です。
③ 心のフィルター
良かったことより、悪かったことだけに目が向いてしまうクセです。
例:
10人に褒められても、1人から言われた嫌な言葉ばかり気になる。
そんなときは、一つの出来事だけではなく、全体を見ることを意識してみましょう。
④ マイナス化思考
良い出来事や自分の成果を「大したことではない」と打ち消してしまう考え方です。
例:
「褒められたけど、たまたまだ」
「これくらい誰でもできる」
うまくいったことも、自分がやってきた結果の一つです。
素直に「できた」と認めてもいいのです。
⑤ 結論の飛躍
根拠がないのに、悪い結果を決めつけてしまう考え方です。
例:
返信が遅い
→「嫌われたのかもしれない」
相手が忙しいだけかもしれません。
「そうかもしれない。でも、違うかもしれない」と考える余白を持つことが大切です。
⑥ 拡大解釈・過小評価
悪いことは実際より大きく、良いことは小さく考えてしまうクセです。
例:
デート中、少し会話が途切れた
→「全然盛り上がらなかった。もうダメだ」
一方で、相手から「楽しかった」と言われても、
→「社交辞令でしょ」と軽く考えてしまう。
悪いことだけを大きく、良いことを小さく見ていないか、一度振り返ってみましょう。
⑦ 感情的決めつけ
自分が感じていることを、そのまま事実だと思ってしまう考え方です。
例:
「不安だから、きっと失敗する」
不安を感じていることと、実際に失敗することは別です。
感情と事実を分けて考えることがポイントです。
⑧ すべき思考
「〜すべき」「〜でなければならない」と、自分や相手に厳しいルールを作ってしまう考え方です。
例:
「仕事は完璧にやるべきだ」
「人に迷惑をかけてはいけない」
「〜すべき」を、
「できたらいい」
くらいに変えるだけでも、気持ちに余裕が生まれます。
⑨ レッテル貼り
一度の失敗から、自分自身を決めつけてしまう考え方です。
例:
仕事でミスした
→「自分はダメな人間だ」
「ミスをした」と「ダメな人間」は別の話です。
行動と自分自身の価値を分けて考えることが大切です。
一度の失敗から「自分はダメだ」と自分を責めてしまう方は、こちらも参考にしてください。
▶︎ 自分を責めてしまうのはなぜ?自分に厳しくなりすぎる原因と3つの対処法
⑩ 自己関連づけ
自分とは関係のないことまで、「自分のせいかもしれない」と考えてしまうクセです。
例:
相手の機嫌が悪い
→「自分が何かしたのかな」
相手の機嫌には、仕事、体調、家庭などさまざまな理由があります。
「自分のせいかも」と思ったときほど、ほかの可能性も考えてみることが大切です。
思考のクセに気づくことから
認知のゆがみは、誰にでもある思考のクセです。
ネガティブな考えが浮かんだときは、「これは事実?それとも自分の考え?」と一度立ち止まってみましょう。
たとえば「嫌われた」ではなく、「嫌われたと自分は思っている」と考えるだけでも、事実と自分の考えを分けやすくなります。
思考は事実ではなく、一つの受け取り方です。
「別の見方もあるかもしれない」
そう考えるだけでも、心は少しラクになります。


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