「今辞めたら、退職金はいくらもらえるんだろう。」
40代になると、そんな疑問が頭をよぎることはありませんか。
夜勤による体力の限界を感じ始めたり、転職や退職を考えたりしたとき、気になるのが退職金です。
一方で、
・ 定年まで働いた方が得なのではないか
・ あと数年続ければ退職金はどれくらい増えるのか
・ 民間病院と公立病院ではどれほど違うのか
など、制度がよく分からず、判断に迷う方も少なくありません。
実は、退職金は「長く勤めれば必ずたくさんもらえる」という単純なものではありません。
病院ごとに制度は大きく異なり、勤続年数や退職理由によって支給額が変わることもあります。中には、退職金制度自体が設けられていない医療機関もあります。
だからこそ、退職を考える前に「自分はあと何年働けば、どれくらい受け取れるのか」を知っておくことが大切です。
この記事では、
・ 勤続年数ごとの退職金の目安
・ 公立病院と民間病院の違い
・ 病院ごとに制度が異なる理由
・ 知っておきたい倒産リスク
・ 退職前に必ず確認しておきたいポイント
について、40代看護師の視点で分かりやすく解説します。
まず知っておきたい:退職金は法律で義務ではない
「退職金は、会社を辞めれば必ずもらえるもの。」
そう思っている方は少なくありません。
しかし実際には、退職金制度の導入は法律で義務付けられているわけではありません。
病院によっては退職金制度そのものが設けられていなかったり、一定の勤続年数に達しなければ支給対象にならなかったりすることもあります。
つまり、退職金を受け取れるかどうか、また受け取れる金額は、
・ 就業規則
・ 退職金規程
・ 医療法人ごとの制度
によって決まります。
同じ「看護師」という仕事でも、勤務先が違えば退職金制度は大きく異なります。
「長く働いたから必ず多くもらえる」とは限らないため、退職を考える前に、自分の勤務先の制度を確認しておくことが大切です。
退職後の生活費が不安な方は、失業保険の仕組みも必ず確認しておきましょう。
▶︎ 看護師の失業保険はいくらもらえる?― 自己都合と会社都合の違いを知らないと損をする
退職前に必ず確認しておきたいこと
「退職金はどこの病院でももらえるもの。」
そう思っている方は少なくありません。
しかし実際には、退職金制度は病院ごとに大きく異なります。
公立病院のように制度が整っている職場もあれば、民間病院では、
・ 退職金制度がない
・ 勤続3年以上で支給
・ ポイント制
・ 法人の業績によって支給額が変わる
など、制度はさまざまです。
そのため、「退職金が出ると思って退職したら、支給条件を満たしていなかった」というケースも決して珍しくありません。
退職金は、将来受け取れる予定のお金です。
だからこそ、思い込みではなく、自分の勤務先の制度を確認しておくことが大切です。
退職前には、次の点を確認しておきましょう。
□ 就業規則や退職金規程に退職金制度の記載があるか
□ 支給対象となる勤続年数は何年以上か
□ 自己都合退職と会社都合退職で支給額に違いはあるか
□ 退職金の計算方法はどのようになっているか
これらを把握しておくだけでも、退職後の資金計画は立てやすくなります。
基本給や手取りの仕組みを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶︎ 看護師の給与明細の読み方|なぜ年収800万円でも手取りが少ないのか?
勤続年数によって退職金はいくら変わる?
退職金の金額は、病院ごとの退職金規程によって異なります。
ここでは、イメージしやすいように「基本給×勤続年数」という計算方法を採用しているケースを例に見てみましょう。
基本給が30万円の場合、
・ 勤続3年:90万円
・ 勤続10年:300万円
・ 勤続20年:600万円
・ 勤続30年:900万円
一方で、勤続3年未満は退職金の支給対象外としている病院も少なくありません。
また、実際の退職金は、基本給だけで決まるとは限りません。
・ 勤続年数
・ 基本給
・ 支給率
・ 昇給額
・ 病院独自の計算方法
などをもとに算出されることが多く、同じ勤続年数でも病院によって受け取れる金額には大きな差があります。
そのため、上記の金額はあくまで目安として考え、自分の勤務先の退職金規程で実際の計算方法を確認することが大切です。
公立病院と民間病院では退職金制度が大きく異なる
退職金制度は、公立病院と民間病院で大きく異なります。
公立病院では、公務員の退職金制度に準じた計算方法が採用されていることが多く、勤続年数が長くなるほど支給額も増える傾向があります。定年まで勤務した場合には、1,500万〜2,000万円程度の退職金となるケースもあります。
一方、民間病院では、退職金制度は医療法人ごとに異なります。
・ 法人ごとに計算方法が違う
・ 業績によって支給額が変わる場合がある
・ 退職金制度自体が設けられていない場合もある
など、制度はさまざまです。
そのため、同じ30年間勤務した場合でも、公立病院と民間病院では数百万円から1,000万円以上の差が生じることもあります。
だからこそ、「看護師の退職金はこれくらい」と一概には言えません。自分の勤務先の退職金制度を確認することが何より大切です。
病院の経営状況によっては退職金に影響することもある
退職金は、必ず受け取れるとは限りません。
病院の経営状況が悪化した場合には、
・ 退職金が満額支給されない
・ 有給休暇を十分に消化できない
・ 急な退職で転職や生活の準備が間に合わない
といった事態が起こる可能性があります。
万が一、病院が倒産した場合には「未払賃金立替払制度」を利用できるケースもありますが、退職金を含めてすべてが補償されるわけではありません。
だからこそ、退職金は「将来必ず受け取れるお金」と考えるのではなく、勤務先の制度や経営状況も踏まえて考えることが大切です。
退職金は、約束された未来のお金ではなく、制度と経営に支えられているお金でもあります。
まとめ|40代看護師に必要なのは「退職金」と「健康」の両方を考えること
退職金は、40代にとって決して小さなお金ではありません。
あと数年働くことで、数百万円の差が生まれることもあります。
住宅ローンの返済や子どもの教育費、老後資金などを考えれば、退職金は将来設計を支える大切な資金の一つです。
しかし、そのために無理を続けて心身の健康を損ねてしまっては、本末転倒です。
40代は、「もう少し頑張れる」年代である一方、「無理が積み重なりやすい」年代でもあります。
だからこそ大切なのは、「退職金を優先するか」「健康を優先するか」という二択ではありません。
制度を理解し、自分が受け取れる退職金を把握したうえで、健康や今後の働き方も含めて判断することです。
また、退職金は病院の制度や経営状況によって左右されるお金でもあります。
制度変更や支給条件の見直しなど、将来の不確実性もあるため、退職金だけに頼るのではなく、副収入や資産形成なども含めて将来を設計していくことが大切です。
まずは、自分の勤務先の退職金規程を確認し、「あと何年働けば、どれくらい受け取れるのか」を把握してみましょう。
数字を知ることは、不安を減らし、自分らしい働き方を考える第一歩になります。
40代は、勢いで決断する年代ではありません。
制度を理解し、数字を確認し、健康とのバランスを考えながら、自分にとって納得できる選択をしていきましょう。


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