訪問看護ステーションを開業しようと考えたとき、最初に気になるのは人員基準や事務所、開業資金などではないでしょうか。
僕自身も、将来的に訪問看護ステーションを立ち上げることを考えて、少しずつ調べています。
その中で最近気づいたのが、
「訪問看護ステーションを経営するということは、看護以外の仕事がかなり増える」
ということです。
利用者さんのところへ訪問して看護をするだけなら、これまでの経験を活かすことができます。
でも、人を雇うとなると話が変わります。
給与計算、社会保険、雇用保険、労務管理。
さらに会社として、日々のお金を管理して決算や税金の申告もしなければなりません。
そこで必要になってくるのが、社労士と税理士です。
では、小さな訪問看護ステーションを立ち上げた場合、この2つの専門家に毎月いくらくらいかかるのでしょうか。
今回は、僕自身が開業することを想定して調べてみました。
訪問看護ステーションの開業全体の流れや必要資金については、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶︎ 訪問看護ステーションの開業方法と必要資金を完全解説|失敗しないためのポイント
【社労士は何をしてくれるのか】
社労士は、主に「人を雇うこと」に関係する専門家です。
例えば、
・社会保険の手続き
・雇用保険の手続き
・入職、退職時の手続き
・労務に関する相談
・給与計算
・就業規則の作成や変更
などがあります。
訪問看護ステーションでは看護師などを雇用することになるので、こうした仕事が必ず発生します。
もちろん経営者自身が勉強して行うこともできます。
ただ、僕自身が実際に訪問看護師として働いていて感じるのは、訪問だけでもかなり時間を使うということです。
開業したばかりなら、経営者自身も利用者さんのところへ訪問することになると思います。
そのうえ給与計算や社会保険の手続きまで全部自分でやるとなると、かなり大変だと思います。
だから僕なら、ある程度は社労士に任せたいと考えています。
【社労士はいくらくらいかかる?】
社労士事務所の料金をいくつか調べてみると、小規模事業所の場合、顧問料は月1万5,000円〜3万円程度から設定されているところがあります。
ただし、給与計算は別料金になっている場合があります。
例えば従業員1〜5人程度の場合、
社労士顧問料 約15,000〜30,000円
給与計算 約10,000〜20,000円
と考えると、
月額で約25,000〜50,000円程度。
もちろん事務所や依頼する業務によって大きく変わりますが、僕が小規模な訪問看護ステーションを始めるなら、社労士関係として月3万円前後は最初から予算に入れておこうと思います。
【税理士は何をしてくれるのか】
一方、税理士は会社の「お金と税金」に関する専門家です。
帳簿や会計、法人税などの申告、決算、税金についての相談などをお願いすることができます。
僕が現在働いている訪問看護ステーションでは、税理士さんが月に1回事務所に来ます。
会社側と話をしたり、毎月使った経費のレシートを提出したりする様子を、僕も実際に見てきました。
以前は「会社に税理士さんが来るのは普通なんだな」くらいに思っていましたが、自分が開業を考えるようになってから、その役割の大きさを感じるようになりました。
訪問看護ステーションを経営するなら、売上だけを見ていればいいわけではありません。
家賃、車両費、ガソリン代、通信費、備品、人件費など、いろいろなお金が動きます。
それをきちんと管理して税金を申告する必要があります。
経営者になるということは、こういうことまで考えなければならないんだと思いました。
【税理士はいくらくらいかかる?】
税理士事務所についても料金を調べてみました。
小規模法人の場合、月額顧問料として2万円〜4万円程度の設定が見られます。
さらに、
・記帳代行
・決算申告
・年末調整
・消費税申告
などによって追加料金が発生することがあります。
特に注意したいのが決算です。
毎月の顧問料だけを見て、
「税理士は月3万円だから年間36万円」
と考えてしまうと、実際の費用とは違ってくる可能性があります。
決算申告料として年間10万円〜20万円程度が別に必要になるケースもあります。
だから僕なら、
税理士 月3万円前後
+決算費用
くらいを想定して資金計画を立てると思います。
【社労士+税理士で実際いくら必要なのか】
では、僕が小さな訪問看護ステーションを始めると仮定して計算してみます。
仮に、
社労士 月30,000円
税理士 月30,000円
とします。
合計すると、
1か月 60,000円
3か月 180,000円
6か月 360,000円
1年間 720,000円
です。
さらに税理士の決算申告料などが別途必要になる可能性があります。
こうやって数字にすると、決して小さな金額ではありません。
開業したばかりで利用者さんが少ない時期にも、このような固定費は発生します。
だから訪問看護ステーションの開業資金を考えるときには、事務所の家賃や車だけではなく、専門家に支払う費用も最初から考えておいたほうがいいと思います。
【就業規則は開業時から必要なのか】
ここも僕が気になったところです。
「人を雇うなら、最初から就業規則を作らなければいけないのでは?」
と思っていました。
調べてみると、労働基準法では「常時10人以上の労働者を使用する事業場」について、就業規則を作成して労働基準監督署へ届け出ることが義務づけられています。
逆に考えると、例えば看護師数人でスタートする小さな訪問看護ステーションなら、最初から法律上の作成・届出義務があるわけではありません。
もちろん、就業規則はあったほうがいいと思います。
勤務時間、休日、有給休暇、給与、退職などについて最初からルールを決めておけば、後々のトラブルを防ぎやすくなるからです。
ただ、僕が実際に開業するとしたら、ここは少し現実的に考えると思います。
開業したばかりの訪問看護ステーションは、できるだけ固定費を抑えたい時期です。
社労士に就業規則の作成まで依頼すれば、当然そこにも費用がかかります。
例えば自分を含めて数人程度からスタートするのであれば、まず必要な労働条件や雇用契約をきちんと整えて運営する。
そして利用者さんが増えて経営が安定し、スタッフも増えてきた段階で、社労士と相談しながら本格的な就業規則を整備する。
僕なら、そういう方法も選択肢として考えます。
ただし、常時10人以上の労働者を使用するようになれば就業規則の作成・届出が必要になるため、スタッフが増えてきたら早めに準備する必要があります。
【専門家に払うお金を「高い」と考えるか】
社労士と税理士を合わせて月5万円、6万円、場合によってはそれ以上。
開業前の僕からすると、
「結構かかるな」
というのが率直な感想です。
年間にすると数十万円になります。
できることなら自分でやって節約したいとも思います。
でも、訪問看護ステーションの経営者の仕事は、給与計算をすることでも、税金の申告書を作ることでもありません。
利用者さんを増やす。
スタッフが働きやすい環境を作る。
病院やクリニック、ケアマネジャーなどとの関係を作る。
そして何より、質の高い訪問看護を提供する。
そこに時間を使ったほうがいいのではないかとも思います。
月数万円を節約するために、慣れない給与計算や社会保険、税務処理に何時間も使う。
それが本当に経営として得なのか。
開業について調べるようになってから、少しずつそういう視点を持つようになりました。
僕はまだ訪問看護ステーションを経営しているわけではありません。
今は現場で働きながら、将来的な開業を考えて一つずつ調べている段階です。
だからこそ、
「実際に自分が開業するなら、いくら必要なのか」
という目線でこれからも調べていきたいと思っています。
訪問看護ステーションの開業には、思っていた以上に看護以外の知識が必要です。
でも一つずつ調べて数字にしていくと、少しずつ現実的なものとして見えてきます。
社労士や税理士への費用も、その一つでした。
※この記事の料金は複数の社労士・税理士事務所が公開している料金を参考にした目安です。実際の料金は従業員数、売上、訪問頻度、給与計算や記帳代行の有無などによって異なります。また、就業規則については2026年9月時点の制度をもとにしています。


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