精神科訪問看護で「予定より早く終わってしまった」ときはどうする?
ここで、実際に精神科訪問看護で働いていると気になるのが、
「普段は30分以上訪問している利用者さんが、たまたま30分未満で終了してしまった場合はどうなるのか?」
という点です。
精神科訪問看護では、30分未満の訪問を自由に選択できるわけではありません。
厚生労働省の通知では、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)・(Ⅲ)の30分未満について、「利用者に短時間訪問の必要性があると医師が認め、精神科訪問看護指示書に明記されている場合」に算定できるとされています。
つまり、精神科訪問看護指示書で「短時間訪問の必要性なし」とされている利用者さんについては、単純に、
「今日は25分で終わったから30分未満で算定する」
ということはできません。
ただ、実際の現場では予定どおりにいかないこともあります。
たとえば、
「今日は体調が悪いから早く休みたい」
「今日はあまり話したくない」
「これから予定がある」
など、利用者さんの状態や都合によって30分以上の訪問が難しくなることがあります。
このような場合に、報酬を算定するためだけに無理に30分まで訪問を続けるというのも、本来の訪問看護とは違うと思います。
利用者さんの状態を優先して必要な支援を行い、やむを得ず短時間で終了した場合には、その理由や利用者さんの状態、実施した看護内容などを記録しておくことが重要です。
そして、指示書に短時間訪問の必要性が記載されていなければ、その訪問を安易に「30分未満」として算定するのではなく、算定の可否を事業所内で確認する必要があります。
また、30分未満で終了することが一度だけではなく何度も続く場合には、利用者さんにとって30分以上の訪問そのものが負担になっている可能性もあります。
その場合には主治医へ状況を報告し、
「この方は長時間の関わりが負担になりやすく、短時間での訪問が適しているのではないか」
と相談することも必要になります。
医師が短時間訪問の必要性を認め、精神科訪問看護指示書にその旨が明記されれば、30分未満の区分で算定できるようになります。
精神科訪問看護では、「30分以上なら5,550円、30分未満なら4,250円」という金額だけを覚えるのではなく、30分未満には医師による短時間訪問の必要性の判断が必要であることも押さえておきたいポイントです。
現場では予定どおりの時間にならないこともあります。
だからこそ、「30分を超えたかどうか」だけを見るのではなく、利用者さんの状態、実施した支援、その時間になった理由をきちんと記録し、必要に応じて主治医と訪問時間について相談していくことが大切だと思います。
現場ではどう対応している?
私が働いている精神科訪問看護ステーションでは、基本的に 医師の精神科訪問看護指示書に沿って訪問時間を設定する ことを大切にしています。
そのため、指示書で 「短時間訪問の必要性なし」 となっている利用者さんについては、原則として30分以上の訪問を行います。
ただ、実際の現場では必ずしも予定どおりにいくとは限りません。
たとえば、もともと口数が少ない方や、 「今日はもう大丈夫です」 「もう話すことはありません」 と早めに訪問を終えたいと希望される利用者さんもいます。
そのような状況が一時的ではなく何度も続く場合には、 無理に30分以上滞在するのではなく、利用者さんの状態を主治医へ報告し、 短時間訪問の必要性について改めて判断してもらう ようにしています。
必要と判断された場合には、精神科訪問看護指示書の 「短時間訪問の必要性あり」 にチェックを入れてもらうよう相談します。 訪問時間を看護師側の都合だけで変更するのではなく、 医師の指示と利用者さんの実際の状態をすり合わせていくことが大切だと感じています。


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