「人生を間違えた」と感じるのはなぜ?過去の失敗との向き合い方

人生の失敗や後悔を振り返りながら、夕暮れの湖と山を静かに見つめる女性 メンタル・思考
過去の失敗は変えられなくても、これからの人生は変えていける。失敗だけで、自分の人生すべてを決めなくていい。

人生を振り返って、「あのとき、違う選択をしていれば」と思うことはありませんか。

仕事を辞めなければよかった。

欲しいものにお金を使いすぎず、もっと貯金しておけばよかった。

せっかく出会った友人や大切な人との関係を、もっと大事にしておけばよかった。

私自身、46歳になった今、こうした過去の選択を後悔することがあります。

「あのとき、違う選択をしていれば、もっと良い人生になっていたのではないか」と考えてしまうこともあります。

参考になるのが、ナラティブ・アプローチという心理学的な考え方です。

この記事では、過去の失敗だけで人生を判断しないための考え方を、私自身の経験を交えて紹介します。


なぜ人生を失敗したと思ってしまうのか

人は過去を振り返るとき、後悔している出来事に意識が向くことがあります。

心理学には、過度の一般化という認知の偏りがあります。

例えば、転職がうまくいかなかった経験から「自分は仕事が続かない人間だ」と考えたり、恋愛で失敗した経験から「自分は人間関係が苦手だ」と決めつけたりすることです。

一部の経験を、自分自身や人生全体の評価にまで広げてしまうのです。

私も転職を繰り返してきました。人間関係が嫌になって辞めたこともあれば、病院の倒産や身体的な理由で仕事を離れたこともあります。

これらをすべて「仕事が続かなかった」とまとめてしまうと、それぞれの事情が見えなくなります。

今振り返ると、転職した理由もそれぞれ違うのに、すべてを自分の失敗として考えていた部分があったと思います。


ナラティブ・アプローチで人生を捉え直す

ナラティブとは「物語」という意味です。

ナラティブ・アプローチは、自分の経験をどのような物語として理解しているかに注目する考え方です。

例えば、「お金を無駄に使ってきた」と後悔している人でも、振り返ってみれば、そのお金で楽しんだ経験や、人との思い出が残っているかもしれません。

同じ出来事でも、何に注目するかによって受け止め方は変わります。

お金を使いすぎたという後悔は残っていても、その経験が無意味だったとは限りません。後悔している部分も含めて、自分の経験を振り返るということです。

私自身、恋愛や人間関係でうまくいかなかった経験から、どのような関係を築きたいのかを考えるようになりました。

失敗した出来事だけではなく、それ以外の経験にも目を向けてみる。

それだけでも、自分の人生に対する見方が変わることがあります。


自分の人生を別の角度から振り返ってみる

過去の失敗ばかり思い出してしまうときは、次のことを考えてみてください。

① これまでの人生で後悔していることを3つ挙げる。

② 同じ人生の中で、自分が頑張ってきたことを3つ挙げる。

③ その両方を振り返り、これから何を大事にしたいのか考える。

これはナラティブ・アプローチの考え方を参考にした、簡単な振り返りの方法です。

失敗した経験だけに目を向けていたときには気づかなかった、自分の別の一面が見えてくるかもしれません。


これからの人生をどう生きるか

過去の経験を振り返る中で、自分が何を大事にしたいのかが少しずつ分かってきました。

今は、仕事で新しいことに挑戦したいという思いもありますし、大切な人との時間も大事にしたいと思っています。

これからも思い通りにいかないことや、失敗することはあるでしょう。

そのときは、うまくいかなかったことだけに目を向けるのではなく、これまで積み重ねてきた経験も振り返りながら、次の選択を考えていきたいと思います。

参考文献

Alice Morgan「What is Narrative Therapy?」Dulwich Centre

ナラティブ・セラピーの基本的な考え方について解説した資料。

コメント

タイトルとURLをコピーしました