訪問看護ステーションを開業するとき、かなり悩むと思っているのがスタッフの給与です。
僕は将来、精神科訪問看護ステーションを開業することを考えています。
当然、自分一人では訪問看護ステーションを運営できないので、看護師を採用する必要があります。
そこで考えなければならないのが、
「スタッフの給与をいくらにするのか?」
という問題です。
給与を高くすれば求人には有利になるかもしれません。
でも、開業直後から高い給与を設定しすぎて、利用者さんが集まらなければ経営が苦しくなります。
逆に給与が低すぎれば、そもそも看護師さんが来てくれないかもしれません。
僕自身は、最初から全国一律の相場だけを見て給与を決めるのではなく、開業する地域の給与相場を調べたうえで決めたいと考えています。
今回は、僕が訪問看護ステーションを開業するとしたら、スタッフの給与をどう決めるのかについて書いてみます。
※僕はまだ訪問看護ステーションを開業したわけではありません。現在、精神科訪問看護師として働きながら、開業に必要なことを一つずつ調べている段階です。
訪問看護ステーションでは、給与を決めるだけでなく、そもそも開業に必要な看護師をどう集めるかも大きな課題です。
僕自身、最初から求人だけに頼るのではなく、知り合いの看護師にも声をかけながら必要な人員を確保できないかと考えています。
僕が考えている人員の集め方については、こちらの記事でまとめています。
▶︎ 訪問看護ステーションの2.5人をどう集める?開業を目指す僕が考えている現実的な人員確保
まず調べたいのは「その地域の時給」
僕がスタッフを募集するとしたら、まず開業予定地域の求人をかなり見ると思います。
例えばパート看護師を採用するのであれば、
「この地域の訪問看護ステーションでは、看護師の時給はいくらなのか?」
を調べます。
さらに訪問看護だけではなく、
病院の病棟
クリニック
介護施設
デイサービス
訪問看護ステーション
などの看護師求人も見ます。
例えば周辺の病院でパート看護師が時給1,700円なのに、自分のステーションが1,500円なら、わざわざ訪問看護を選んでもらうのは難しいかもしれません。
逆に周辺の訪問看護ステーションが1,800〜2,000円程度で募集しているのであれば、それも一つの基準になります。
大切なのは、僕が「このくらい払いたい」と考えるだけではなく、その地域で看護師が実際にいくらで募集されているのかを見ることだと思っています。
病院と訪問看護の両方を比較したい
僕なら訪問看護ステーションの求人だけではなく、病院の求人も比較します。
看護師さんからすれば、
「病院でパートするか」
「訪問看護でパートするか」
という選択肢があるからです。
訪問看護には病棟とは違った大変さがあります。
一人で利用者さんの自宅へ行く。
その場で状態を判断する。
医師や関係機関へ連絡する。
移動する。
記録を書く。
精神科訪問看護なら、利用者さんとのコミュニケーションや状態変化の把握も重要になります。
だから僕は、
「病院より安くても人が来るだろう」
とは考えないようにしたいです。
むしろ周辺の病院と訪問看護ステーションの両方を調べて、その地域で働く看護師さんが納得できる給与を考えたいと思っています。
実際、日本看護協会の2024年度調査では、正規雇用フルタイム・非管理職看護師の平均税込給与総額は、病院が約38.2万円、訪問看護ステーションが約34.7万円でした。全国データなのでそのまま自分の地域に当てはめることはできませんが、病院との比較も必要だと分かります。
最初はパート採用も現実的だと思っている
僕が開業するときは、最初から大人数の正社員を抱えるより、パートスタッフをうまく組み合わせる方法も考えています。
理由は単純で、開業直後は利用者さんが何人集まるか分からないからです。
利用者さんがまだ少ない状態でも、正社員なら毎月決まった給与が発生します。
さらに会社側は給与だけを考えればいいわけではありません。
条件に応じて社会保険料の事業主負担も発生しますし、交通費、賞与、各種手当なども考える必要があります。
つまり、
時給2,000円のスタッフ=会社の負担も1時間2,000円だけ
ではありません。
経営するときには「給与」ではなく、スタッフ一人を雇うことで会社から実際にいくら出ていくのかまで考える必要があります。
ただし給与を安くして利益を出したいわけではない
ここは僕が大切にしたいところです。
開業直後だからといって、
「できるだけスタッフの給与を安くして利益を残そう」
とは考えていません。
訪問看護は人がいなければ成り立たない仕事だからです。
過去の厚生労働省資料でも、訪問看護ステーションは費用に占める給与費の割合が非常に大きい事業であることが示されています。つまり、人件費は単なる「削減するコスト」というより、事業そのものを支える中心的な費用です。
給与を下げれば、一時的には会社にお金が残るかもしれません。
でも、
スタッフが集まらない。
すぐ辞めてしまう。
残ったスタッフの負担が増える。
また求人を出す。
こうなれば、結局ステーション運営が不安定になります。
僕は長く働いてもらえる環境を作る方が大切だと思っています。
利用者さんが増えたら給与にも反映したい
そして、これは今から考えていることなのですが、利用者さんが増えてステーションの売上が安定してきたら、スタッフの給与にも還元していきたいと思っています。
例えば開業したばかりの頃は利用者さんが10人だった。
それが20人、30人と増えていく。
当然、訪問件数も増えます。
記録も増えます。
電話対応や関係機関との連携も増えます。
スタッフの負担も大きくなります。
それなのに、
「利用者さんは増えた。会社の売上も増えた。でもスタッフの給与はずっと同じ」
では、僕はあまり良い会社にはならないと思っています。
もちろん売上が増えた分を全部給与にすることはできません。
車両費、家賃、社会保険料、税金、システム利用料、将来の採用費なども必要だからです。
それでも会社に余裕が出てきたら、
時給を上げる。
昇給制度を作る。
賞与を出す。
手当を作る。
といった形で還元できる会社にしたいと思っています。
現在の診療報酬でも、訪問看護ステーションの職員の賃金改善を目的とした「訪問看護ベースアップ評価料」が設けられています。2026年度改定では対象職員の拡大や評価の見直しも行われています。
給与だけで働きやすさは決まらない
もう一つ忘れたくないのが、スタッフが長く働けるかどうかは給与だけでは決まらないということです。
訪問件数を詰め込みすぎない。
休みを取りやすくする。
記録をできるだけ効率化する。
何かあったとき管理者へ相談できる。
一人で問題を抱え込ませない。
人間関係で消耗しない。
こうした部分も給与と同じくらい重要だと思っています。
僕自身、これまで看護師としていろいろな職場で働いてきました。
給料が高くても、毎日疲弊してしまう職場では長く働くのは難しいです。
逆に、
「ここなら安心して働ける」
と思える職場なら、それ自体が大きな価値になります。
僕なら「地域相場+働きやすさ」で考える
現時点で僕が考えている給与設定は、かなりシンプルです。
まず開業する地域の求人を見る。
病院のパート看護師の時給を調べる。
訪問看護ステーションの時給を調べる。
複数の求人を比較して地域相場を把握する。
そのうえで、自分のステーションの仕事内容や求める経験などを考えて給与を決める。
そして開業後、利用者さんが増えて経営が安定してきたら、スタッフにも少しずつ還元する。
僕はこの形が一番現実的だと思っています。
訪問看護ステーションを開業するとなると、どうしても、
「利用者さんを何人集めれば黒字になるのか」
「1日何件訪問すれば売上はいくらになるのか」
という数字に目が向きます。
もちろん経営なので利益は必要です。
赤字になれば会社そのものが続きません。
でも、その売上を作ってくれるのはスタッフです。
だから僕は、
会社が続けられる人件費と、スタッフが納得して働ける給与の両方を考える。
このバランスが大切だと思っています。
僕自身、まだ経営者になったわけではありません。
実際に求人を出す段階になれば、開業地域の求人を改めて調べ、給与だけでなく勤務時間、訪問件数、手当、昇給なども含めて具体的に決めるつもりです。
そして利用者さんが増え、ステーションが成長していったときには、その成長をスタッフにも還元できる訪問看護ステーションにしたいと思っています。


コメント