「あのとき、ちゃんと言えばよかった」
家に帰ってから、そんなふうに思ったことはないでしょうか。
その場では何も言えなかった。
笑って流してしまった。
相手に合わせてしまった。
でも、一人になってから、
「やっぱり嫌だったな」
「なんで何も言わなかったんだろう」
とモヤモヤする。
僕自身も、言いたいことをその場で伝えるのはあまり得意ではありません。
相手がどう思うかを考えてしまうからです。
「こんなことを言ったら嫌な気持ちになるかな」
「関係が悪くならないかな」
「自分が我慢すれば済むことかな」
そんなことを考えているうちに、結局何も言えなくなってしまいます。
でも最近思うのは、我慢して何も言わないことが、必ずしも相手への優しさではないということです。
言いたいことを飲み込めば、その場は丸く収まります。
相手も嫌な気持ちにならないかもしれません。
でも、自分の中には残ります。
一回なら流せても、それが何度も続けば、
「どうして自分ばかり我慢しているんだろう」
という気持ちに変わっていきます。
そして、ある日突然その人と関わること自体が嫌になってしまう。
本当はもっと前に、小さな違和感の段階で伝えられていたら、そこまで苦しくならなかったのかもしれません。
言いたいことを我慢し続けて、人間関係そのものがつらくなっている方は、
「人間関係で『もう無理』と感じるのはなぜ?我慢の限界に気づくサイン」
も参考になると思います。
なぜ言いたいことを我慢してしまうのか
言えない理由はいろいろあると思います。
嫌われたくない。
怒らせたくない。
空気を悪くしたくない。
面倒な人だと思われたくない。
自分が我慢すれば済むと思ってしまう。
特に、相手の気持ちを考える人ほど言葉を飲み込みやすいのかもしれません。
これは悪いことではありません。
相手への配慮ができるということでもあります。
ただ、相手を尊重することと、自分の気持ちを我慢し続けることは違います。
相手の気持ちも大切。
でも、自分の気持ちも同じように大切です。
「言うか我慢するか」の二択ではない
ここで僕が大切だと思うのは、言いたいことを何でもそのまま口にすることではありません。
思ったことを全部ぶつければ、今度は相手を傷つけてしまいます。
大切なのは、
自分も相手も尊重しながら伝えること。
心理学では、このようなコミュニケーションを「アサーティブ・コミュニケーション」と呼びます。
たとえば、
「なんでそんな言い方するんですか?」
ではなく、
「そう言われると、僕は少しきつく感じます」
と伝える。
「いつも私ばかりじゃないですか」
ではなく、
「できれば今回は少し手伝ってもらえると助かります」
と伝える。
相手を責めるのではなく、**「自分はどう感じたのか」「どうしてほしいのか」**を伝えるだけでも、言葉の印象は変わります。
モヤモヤは「本当は伝えたかった」というサインかもしれない
家に帰ってから何度も思い出してしまう。
頭の中で、
「あのとき、こう言えばよかった」
と会話をやり直してしまう。
そんなときは、自分の中に伝えたかった気持ちが残っているのかもしれません。
だから僕は、できるのであればその場で小さく伝えた方がいいと思っています。
もちろん僕自身も、実際に相手を目の前にするとうまく言えないことがあります。
頭では分かっていても、実践するのは難しいです。
それでも、
「全部我慢する」
から、
「少しだけ伝えてみる」
に変えていくだけでも違うと思います。
その場で言えなかったとしても、あとから伝えてもいい。
LINEやメールの方が冷静に伝えられるのであれば、それでもいいと思います。
大切なのは、自分の気持ちをなかったことにしないことです。
伝えたあとの相手の反応まではコントロールできない
言いたいことを言えない理由の一つに、
「相手がどう反応するか怖い」
という気持ちがあります。
これは僕もよく分かります。
でも、自分がどれだけ丁寧に伝えても、相手がどう受け取るかまでは決められません。
こちらができるのは、
感情的にぶつけない。
相手を否定しない。
できるだけ穏やかに伝える。
そして自分の気持ちも隠しすぎない。
そこまでです。
それでも相手が不機嫌になることはあるかもしれません。
だからといって、すべて自分が悪いわけではありません。
相手を尊重することと同じくらい、自分を尊重することも人間関係には必要です。
我慢する前に「小さく伝える」
言いたいことを我慢すれば、その場では何も起こらないかもしれません。
でも、その小さな我慢が積み重なると、自分の中にモヤモヤが残ります。
そしていつか、
「もうこの人とは無理」
となってしまうこともあります。
だからこそ、大きな不満になる前に、
「僕はこう感じました」
「できればこうしてもらえると助かります」
と、小さく伝えてみる。
僕自身もまだうまくできません。
それでも、何も言わずに自分の中だけにため込むより、自分も相手も尊重できる言葉を少しずつ選べるようになりたいと思っています。
言いたいことを伝えることは、相手を攻撃することではありません。
自分の気持ちを大切にしながら、相手との関係も大切にする。
40代になった今、そんな伝え方ができるようになりたいと思っています。


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