訪問看護ステーションを開業したい。
そう考えたときに、人員基準と同じくらい気になるのが、
「毎月いくらお金がかかるのか?」
ということではないでしょうか。
私自身、現在は精神科訪問看護師として働いていますが、将来的に精神科訪問看護ステーションを開設することを考えています。
そこで最近は、
「利用者さんが0人の状態から始めたら、毎月いくら必要なのか」
ということを一つずつ計算しています。
今回は、私が実際に開業すると仮定して、訪問看護ステーションの固定費を具体的に計算してみます。
※金額は契約内容、地域、職員数などによって変わります。あくまで私が現在検討している開業プランをもとにした一例です。
まず、一番大きな固定費になるのが人件費です。
訪問看護ステーションを開設するには、看護職員を常勤換算2.5人以上配置する必要があります。
私の場合は、
看護師である自分
准看護師
パート看護師
という小規模な体制からスタートすることを想定しています。
パート看護師については、時給2,000円、1日7時間、週3日勤務として計算してみます。
年間平均で計算すると、
2,000円 × 7時間 × 3日 × 52週 ÷ 12か月
= 月約18万2,000円
になります。
ここに雇用保険や労災保険など事業主側の負担も考えて、現在の事業計画では月約18万4,000円として計算しています。
もちろん、社会保険の加入条件などによって実際の会社負担額は変わるため、開業時には社会保険労務士などへの確認が必要です。
私が考えている開業プラン
電子カルテは、現在の職場でも使っているカイポケを利用する予定です。 タブレットを職員1人につき1台利用できるため、記録用端末を別に用意する負担も抑えられます。
職員用スマホは高価なiPhoneではなく、電話と地図が使えるAndroidで十分と考えています。 通話が多くなることを想定し、ドコモの料金プラン+かけ放題で、 月約4,700円を目安にしています。
また、自宅の一室を事務所にするため、今回の試算では 家賃とインターネット回線の追加費用は0円としています。
なお、自宅の一部を事業用として使用する場合の住宅費や通信費などの税務上の扱いは、 税理士と相談しながら適切に按分していく予定です。
次に職員用の携帯電話です。
訪問看護では、利用者さんへの連絡だけではなく、病院、クリニック、薬局、相談支援事業所など、さまざまな場所へ電話をします。
また、訪問先までGoogleマップを使用することも考えています。
現在は、職員1人につき、
データ通信+完全かけ放題で月約4,700円
程度を想定しています。
端末については、高価なiPhoneではなく、業務に必要な機能を満たすAndroid端末を購入する予定です。
そして、訪問看護では電子カルテ・請求システムも必要になります。
私は現在、カイポケを利用することを検討しています。
訪問看護向けの料金を月額約2万7,500円として計算すると、
電子カルテ・請求システム:約2万7,500円/月
になります。
さらに法人を運営する以上、会計や税務申告も必要です。
すべて自分で行う方法もありますが、私は本業である訪問看護や営業に時間を使いたいので、税理士さんとの契約も考えています。
現在の事業計画では、
税理士顧問料:約2万円/月
として計算しています。
さらに決算申告料についても、毎月少しずつ積み立てておく必要があります。
仮に年間15万円なら、
15万円 ÷ 12か月=12,500円
なので、
税理士顧問料+決算費用の積立=月約3万2,500円
として考えておくと安心です。
私の場合、事務所については自宅の一室を利用することを考えています。
そのため今回の試算では、
事務所家賃:追加0円
としています。
インターネットについても自宅のWi-Fiを利用するため、
インターネット回線:追加0円
として計算します。
ここまでをまとめてみます。
| 項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| パート看護師 | 約184,000円 |
| 職員用携帯 | 約4,700円 |
| 電子カルテ・請求システム | 約27,500円 |
| 税理士+決算費用積立 | 約32,500円 |
| 事務所家賃 | 0円 |
| Wi-Fi追加費用 | 0円 |
| 合計 | 約248,700円/月 |
※金額は現在検討している開業プランをもとにした概算です。契約内容や人員配置によって実際の費用は異なります。
つまり、私が現在考えている小規模な訪問看護ステーションなら、ここまでの固定費だけで月約25万円です。
ただし、これで全部ではありません。
訪問看護をするためには車が必要です。
私は中古車を乗り出し約40万円で購入することを想定しています。
さらに、
任意保険
ガソリン代
自動車税
車検・整備費
なども必要になります。
また、開業時には、
パソコン
プリンター
職員用スマートフォン本体
血圧計やパルスオキシメーターなどの医療用品
机や事務用品
訪問看護事業者向けの保険
などの初期費用も発生します。
車両や備品は「初期費用」として考える
訪問車両は、現在の職場でも実績のある 乗り出し約40万円の中古軽自動車を想定しています。 顔なじみの販売店から購入できるため、車両費を抑えられるのも大きなメリットです。
軽自動車なら税負担も比較的抑えやすく、任意保険も 業務使用としてネット型保険を比較して費用を抑える予定です。 一方、車検・整備・ガソリン代は安全な訪問を続けるために必要な経費と考えています。
パソコンやプリンターなども毎月購入するものではありません。 毎月の固定費と、車両・備品・保険などの初期費用を分けて、 一つずつ細かく計算することが大切だと考えています。
そして、株式会社として開業するのであれば法人設立費用も必要です。
このように考えてみると、
「訪問看護ステーションを開業するには○○万円必要」
と一言で決めるのは難しいことが分かります。
事務所を借りるのか。
自宅を事務所にするのか。
車を新車で購入するのか、中古車にするのか。
職員を何人雇うのか。
こうした条件によって必要な資金は大きく変わります。
私の場合は、できるだけ固定費を小さくして、利用者さん0人からスタートできる形を考えています。
なぜなら、訪問看護は開業したその日から十分な売上が入ってくるわけではないからです。
利用者さんを少しずつ増やしながら、入金までの時間も考えて会社を維持する必要があります。
そのため私は、
「開業するのにいくら必要か」だけではなく、「売上が安定するまで会社を何か月維持できるか」
という視点が大切だと考えています。
現在は、まず6か月間は売上が少なくても運営できる資金を準備することを目標に、一つずつ費用を計算しています。
今回計算したのは、あくまで毎月発生する固定費の一部です。
次回は、中古車40万円、法人設立費用、パソコンやプリンターなどの初期費用も含めて、
「利用者0人から訪問看護ステーションを開業するなら、6か月分で実際にいくら必要なのか」
をさらに具体的に計算してみたいと思います。
訪問看護ステーションの「常勤換算2.5人」の考え方や、准看護師・作業療法士が人員基準に含まれるのかについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶︎ 訪問看護ステーション開設には何人必要?人員基準『常勤換算2.5人』をわかりやすく解説
※掲載している金額は、私が開業を検討する過程で設定した条件をもとにした試算です。実際の費用や社会保険の加入条件、税務上の取り扱い、指定基準などは個々の状況によって異なります。開設時には指定権者、税理士、社会保険労務士等への確認が必要です。


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