看護師が退職するときは、職場に「辞めます」と伝えるだけでは終わりません。
退職日や有給消化、引き継ぎだけでなく、退職後には失業保険、健康保険、年金などの手続きもあります。
知らないまま退職すると、必要な書類が届かなかったり、手続きの期限を過ぎたりすることもあります。
この記事では、看護師が退職するときの流れを、退職前から退職後まで順番に整理します。
STEP① 退職時期と就業規則を確認する
退職を考えたら、まず勤務先の就業規則を確認します。
特に確認しておきたいのは、
・ 退職を申し出る期限
・ 退職願や退職届の書式
・ 有給休暇の残日数
・ ボーナスの支給条件
などです。
病院や施設によって、退職の申し出が必要な時期や手続き方法は異なります。
退職日を先に決めてしまうのではなく、勤務先のルールを確認してから予定を立てた方がスムーズです。
退職願と退職届の違い
一般的に、退職願は「退職したい」と申し出るための書類、退職届は退職を正式に届け出る書類として扱われます。
ただし、勤務先によって書式や手続きが決められている場合があります。
自分で用意する前に、上司や人事・総務へ確認しておきましょう。
円満退職のポイント
退職の相談は、必ず直属の上司から行いましょう。
直属の上司が退職理由だったとしても、部長や人事へ先に伝えるのは避けるのが基本です。
退職理由は「一身上の都合」で十分です。感情ではなく、事実を伝えることが円満退職につながります。
退職を決意したとしても、感情だけで辞めてしまうのはおすすめできません。退職前に傷病手当金の仕組みについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▶︎ 40代看護師が知っておくべき傷病手当金の仕組み― 休職したら給料はどうなる?ボーナス・有給・保険は?
STEP② 上司へ退職の意思を伝える
退職時期の目安が決まったら、直属の上司へ退職の意思を伝えます。
看護師の場合、勤務表や人員配置、患者さんの引き継ぎなどもあるため、余裕をもって相談した方が進めやすくなります。
退職理由を詳しく説明したくない場合は、必要以上に職場への不満を話す必要はありません。
退職が決まった後も勤務は続くため、感情的なやり取りを避けて手続きを進めた方が、自分自身も働きやすくなります。
STEP③ 退職日・有給・引き継ぎを決める
退職が決まったら、退職日と最終出勤日を整理します。
ここで混同しやすいのが、この2つです。
たとえば、3月31日付で退職し、残っている有給休暇を3月後半に取得する場合、最終出勤日は退職日より前になります。
退職前には、
・ 退職日
・ 最終出勤日
・ 有給休暇の取得予定
・ ボーナスの支給条件
・ 引き継ぎ内容
を確認しておきましょう。
引き継ぎは必要な情報を整理する
患者さんや利用者さんの情報、委員会業務、担当している仕事などは、後任者が困らないように整理しておきます。
口頭ですべて伝えるのではなく、必要に応じて書面や職場で決められた方法で残しておくと引き継ぎやすくなります。
退職前だからといって新しい仕事まで抱え込む必要はありません。
自分が担当してきた仕事を整理し、必要なところまで引き継げれば十分です。
円満退職で心がけたいこと
- 職場への不満を感情的に伝えない
- 最後まで誠実に引き継ぐ
- 「ありがとうございました」の気持ちを忘れない
STEP④ 退職後に必要な書類を確認する
退職後には、勤務先からさまざまな書類を受け取ります。
代表的なものは次のとおりです。
・ 離職票
・ 源泉徴収票
・ 雇用保険被保険者証
・ 健康保険の資格喪失を確認できる書類
・ 退職金や企業年金に関する書類(該当する場合)
すべての人に同じ書類が必要になるわけではありません。
転職先が決まっているか、失業保険を申請するか、退職後にどの健康保険へ加入するかによっても変わります。
離職票は内容も確認する
失業保険を申請する場合は、離職票を使用します。
受け取ったら、離職理由や賃金などの記載内容を確認しましょう。
離職理由は失業保険の給付にも関係するため、事実と異なる場合はハローワークへ相談します。
源泉徴収票も保管する
源泉徴収票は、転職先での年末調整や自分で確定申告をするときに使用します。
退職後に届いた書類は、まとめて保管しておくと後の手続きが楽になります。
書類が届かないときの対応
- 離職票が2週間以上届かない
- 源泉徴収票が1か月以上届かない
- 必要な証明書が発行されていない
このような場合は、遠慮せず総務・人事へ問い合わせましょう。
STEP⑤ 失業保険の手続きをする
退職後すぐに再就職しない場合は、雇用保険の基本手当、いわゆる失業保険を受給できる場合があります。
手続きは、原則として住居所を管轄するハローワークで行います。
受給には雇用保険の加入期間など一定の条件があり、退職した人全員が自動的にもらえるわけではありません。
自己都合退職の場合は、受給資格決定後の7日間の待期期間に加え、原則として給付制限があります。
2025年4月1日以降に自己都合で退職した場合、給付制限は原則1か月です。ただし、過去の離職状況などによって扱いが異なる場合があります。
受給中も、指定された失業認定や求職活動が必要です。
失業保険の受給額や自己都合退職・会社都合退職の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ 看護師の失業保険はいくらもらえる?自己都合と会社都合の違いを知らないと損をする
STEP⑥ 健康保険と年金を切り替える
退職後に次の勤務先へすぐ入社しない場合は、健康保険や年金の手続きも必要になります。
退職後の健康保険
主な選択肢は、
・ 国民健康保険に加入する
・ 退職前の健康保険を任意継続する
・ 家族の健康保険の扶養に入る
の3つです。
保険料や加入条件はそれぞれ異なるため、自分の状況に合わせて比較します。
協会けんぽの任意継続を利用する場合は、退職日の翌日から20日以内に手続きする必要があります。
年金の手続き
会社員として厚生年金に加入していた人が退職し、次の会社へすぐ入社しない場合は、原則として国民年金への切り替えが必要です。
配偶者の扶養に入る場合などは手続きが異なることがあります。
退職後の状況によって必要な手続きが変わるため、市区町村や日本年金機構などで確認しながら進めましょう。
退職は辞める前の準備が重要
看護師の退職では、職場への申し出だけでなく、有給、引き継ぎ、失業保険、健康保険、年金など多くの確認事項があります。
すべてを一度に進める必要はありません。
まず就業規則を確認し、退職日を決める。
その後に引き継ぎを進め、退職後は必要な書類を確認しながら保険や年金の手続きを行う。
順番に進めれば、退職手続きはそれほど複雑ではありません。
次の仕事が決まっている場合と、しばらく休んでから再就職する場合でも必要な手続きは変わります。
退職を決めてから慌てないよう、早めに自分に必要な手続きを確認しておきましょう。


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