私は小学校から高校まで、いじめを経験しました。
嫌なことを言われても、言い返すことができない。
本当は悔しいのに、何も言えない。
頭の中ではいつもこう思っていました。
・ やり返したら、もっといじめられる
・ 自分が悪いのかもしれない
・ 我慢した方がいい
今振り返ると、
これは 思考のクセ だったのかもしれません。
訪問看護の仕事をしていると、
利用者さんが同じような言葉を口にすることがあります。
「自分は迷惑ばかりかけている」
「もう何をやっても無理だ」
心理学では、こうした思考を
「自動思考」
と呼びます。
認知行動療法とは?心理学でわかる「自動思考」と心の仕組み
こんな考えが止まらなくなることはありませんか。
ふとした瞬間に、
こんな考えが浮かぶことがあります。
・ 自分はダメだ
・ もっと頑張らなきゃ
・ 失敗したら終わりだ
・ 人に迷惑をかけてはいけない
誰かに言われたわけではないのに、
頭の中でこの声が繰り返される。
そして気づけば
・ 自信がなくなる
・ 気持ちが落ち込む
・ 行動するのが怖くなる
実は人は、
自分の心の変化に
なかなか気づくことができません。
気づいたときには
・ 自信がなくなっている
・ 気持ちが落ち込んでいる
・ やる気が出なくなっている
そんな状態になっていることもあります。
しかも多くの場合、
「なぜそうなったのか」
自分でもよく分からないのです。
実はこの状態は
特別なことではありません。
心理学では、
この背景に
「思考のクセ」
があると考えられています。
もし
「まだ起きていない未来」を考えて
不安になることが多い場合は、
「未来が不安で考えすぎてしまう人へ|認知行動療法でわかる未来不安の対処法」
の記事も参考になるかもしれません。
心理学で解説する思考と感情の関係
認知行動療法では、
出来事そのものではなく
「出来事の解釈」が感情を作る
と考えます。
同じ出来事でも、
考え方によって
感情と行動は大きく変わります。
自動思考とは何か
認知行動療法では
自動思考(Automatic Thoughts)
という概念があります。
これは
出来事に対して無意識に浮かぶ思考
のことです。
例えば
・ どうせうまくいかない
・ また失敗する
・ 自分には価値がない
こうした考えが、
瞬間的に頭の中に浮かびます。
誰かに言われたわけではなくても、
まるで心の中の声のように
繰り返されることがあります。
こうした思考が続くと
・ 自信がなくなる
・ 気持ちが落ち込む
・ 行動するのが怖くなる
など、心は少しずつ疲れていきます。
実は訪問看護の現場でも、
こうした「自動思考」に苦しんでいる利用者さんに出会うことがあります。
「自分は迷惑ばかりかけている」
「もう何をやっても無理だ」
そんな言葉を口にされる方も少なくありません。
しかしゆっくり話を聞いていくと、
それは必ずしも事実ではなく、
これまでの経験から作られた
「思考のクセ」であることが多いのです。
認知行動療法では、
この思考に気づくことが
心を整える第一歩だと考えられています。
感情に振り回される仕組みについては、
「自己抑制とは何か?|感情に振り回されない思考習慣と3つの整え方」
の記事でも詳しく解説しています。
自動思考の仕組み
【出来事】
上司に注意された
↓
【自動思考】
自分はダメだ
↓
【感情】
落ち込む・不安
↓
【行動】
挑戦しなくなる
※認知行動療法では、この「自動思考」が感情と行動に影響すると考えます。
同じ出来事でも
思考が変わると結果が変わります。
⭕️ 別の自動思考が生まれた場合
【出来事】
上司に注意された
↓
【自動思考】
改善すればいい
↓
【感情】
冷静・前向き
↓
【行動】
次は工夫する
自動思考に気づく3つのステップ
認知行動療法では、
自分の思考に気づくことがとても大切だとされています。
ここでは、日常生活でもできる
シンプルな3つのステップを紹介します。
① 今どんな考えが浮かんだか書き出す
まず大切なのは、
頭に浮かんだ思考を言葉にすることです。
例えば
・ 自分はダメだ
・ また失敗する
・ 迷惑をかけている
このような考えが浮かんだとき、
「今どんな考えが浮かんだのか」
を紙やメモに書いてみます。
これだけでも
思考を客観的に見ることができます。
② その考えは事実なのかを考える
次に、その思考が
本当に事実なのかを考えてみます。
例えば
「自分はダメだ」
と思ったとき、
・ 本当にすべてがダメなのか
・ うまくいっていることはないか
・ 他の見方はできないか
と自分に問いかけてみます。
③ 別の考え方を探してみる
最後に、
少し現実的な考え方を探します。
例えば
「自分はダメだ」
↓
「今日はうまくいかなかっただけかもしれない」
このように
極端ではない考え方
を見つけることが大切です。
認知行動療法で心が少し楽になる考え方
認知行動療法の目的は
ポジティブになることではありません。
大切なのは
思考に振り回されないこと
です。
例えば
「自分はダメだ」
という思考が浮かんだとき
認知行動療法では
こう考えます。
本当にそうだろうか?
別の見方はないだろうか?
すると
「今日はうまくいかなかっただけかもしれない」
という
少し現実的な考え方が生まれます。
これだけで
心の負担は大きく変わります。
私自身も「自動思考」に影響されてきた
心理学を学んだとき、
私は自分の過去を思い出しました。
子どもの頃、
私はずっとこう考えていました。
「やり返したら、もっといじめられる」
だから自分の気持ちを外に出すことができませんでした。
大人になってからも、
・ 自分の意見を強く言えない
・ 嫌われないように我慢する
そんな場面がありました。
今振り返ると、
それも 思考のクセ だったのかもしれません。
認知行動療法を知ったとき、
私はこう思いました。
「思考は事実ではない」
頭の中に浮かぶ考えが
必ずしも現実とは限らない。
そう考えられるようになるだけでも、
心は少し楽になるのではないかと思っています。
また、自己否定が続いてしまう人は
「40代で自己肯定感が下がるのはなぜ?心理学でわかる原因と立て直し方」
の記事も参考になるかもしれません。
まとめ|認知行動療法は「思考のクセ」に気づく心理学
認知行動療法とは、
出来事そのものではなく
出来事をどう解釈するか
に注目する心理療法です。
私たちは日常の中で、
・ 自分はダメだ
・ また失敗する
・ 人に迷惑をかけている
といった 自動思考 を無意識に生み出しています。
こうした思考が続くと、
・ 自信をなくす
・ 不安が強くなる
・ 行動することが怖くなる
といった感情や行動につながっていきます。
認知行動療法が教えてくれるのは、
自分の思考のクセに気づくこと
です。
思考は必ずしも事実ではありません。
ただの「一つの解釈」であることも多いのです。
自動思考に気づき、
「本当にそうだろうか?」
「別の見方はできないだろうか?」
と立ち止まるだけでも、
心の負担は少しずつ軽くなっていきます。
人は誰でも思考のクセを持っています。
しかしそれは弱さではありません。
気づいた瞬間から、
考え方は少しずつ整えていくことができます。
人生は、
何歳からでも整え直すことができます。


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