はじめに
「訪問看護って年収下がる?」
「病棟のほうがやっぱり稼げる?」
転職を考える40代看護師が
最も気になるのは、やはり年収です。
ですが――
年収は“額面”だけで判断すると失敗します。
40代は、
🔴 体力の低下
🔴 夜勤負担
🔴 住宅ローン
🔴 教育費
🔴 将来設計
すべてが絡む世代。
今回は、厚生労働省の公的統計をベースに、
40代看護師の年収を客観的に整理します。
厚生労働省による看護師の平均年収
厚生労働省が公表している
**「賃金構造基本統計調査(最新年度)」**によると、
看護師(正看護師)の平均年収は
約520万円前後 とされています。
この金額は、
・ きまって支給する現金給与額 × 12か月
・ 年間賞与その他特別給与額
を合算した総支給額ベースです。
内訳の目安は以下の通りです。
・ 月給平均:約36万円前後
・ 年間賞与:約80万円台前半
なお、准看護師の場合は
平均年収が約400万円前後とされており、
資格による差も見られます。
※数値は全国平均値を基にした概算です。
この数字はあくまで全国平均であり、
実際の年収は
🟢 病院規模
🟢 夜勤の有無・回数
🟢 地域差
🟢 管理職手当
🟢 訪問看護/病棟などの働き方
によって大きく変わります。
(出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査)
夜勤あり・なしでどれくらい差が出る?
夜勤手当は、1回あたりおよそ1万〜1.5万円前後が一般的。
月4回なら
→ 約4万〜6万円
年間では
→ 約50万〜70万円の差
つまり、
■ 夜勤あり:500〜600万円台
■ 夜勤なし:450万円前後に下がるケースもある
という構造になります。
40代になると、
「稼げるけど消耗する」
という状態に入りやすいのがここ。
病棟勤務の年収構造
🏥 病棟(夜勤あり)
【基本給 + 夜勤手当 + 残業 + 賞与】
メリット
🔵 安定
🔵 ボーナスが高め
🔵 年収は上げやすい
デメリット
🔴 体力依存
🔴 夜勤が収入のエンジン
🔴 回復力低下と直結
40代で夜勤を増やせば、
年収600万超も現実的です。
しかし、
それは体力を削って作る収入。
訪問看護の年収構造
🚗 訪問看護(日勤中心)
【基本給 + 訪問件数手当 + オンコール + 賞与】
平均レンジ
→ 450万〜600万円程度
特徴
🔸 夜勤ほぼなし
🔸 日勤中心
🔸 体力消耗は病棟より低い
ただし、
夜勤手当がない分、
“爆発力”は病棟より弱い。
代わりに、
持続可能性は高い。
📊 40代看護師 年収比較表
※ 金額は全国平均を基にした一般的な目安レンジです(地域・病院規模により変動あり)
| 働き方 | 年収目安(40代) | 夜勤 | 体力消耗 | 安定性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 🏥 病棟(常勤) | 500〜600万円 | 月4〜5回 | 高 | 高 | 夜勤手当で底上げ。ボーナス安定。体力依存型 |
| 🚗 訪問看護 | 450〜600万円 | ほぼなし(オンコール) | 中 | 中 | 日勤中心。持続モデル。事業所差が大きい |
| 🌙 夜勤専従 | 700〜900万円以上も可 | 夜勤のみ | 非常に高 | 低〜中 | 収入効率は最強。長期持続は難しい |
構造の違いをもう一段深掘り
🏥 病棟勤務(常勤)
■ 基本給+夜勤手当+賞与
■ 収入のエンジンは夜勤
■ 管理職になるとさらに上振れ
メリット
🔵 安定
🔵 社会的信用
🔵 ボーナスが高い
デメリット
🔴 回復力が落ちる40代には消耗が蓄積
🔴 夜勤依存型構造
🚗 訪問看護
■ 基本給+訪問件数+オンコール
■ 夜勤なしが多い
■ 管理者で600万〜700万台も可能
メリット
🔵 体力消耗が比較的少ない
🔵 日勤中心で生活リズム安定
デメリット
🔴 事業所差が大きい
🔴 件数で差が出る
🌙 夜勤専従
■ 1回3万〜4万円前後
■ 月10回以上で高収入化
メリット
🔵 短期で一気に稼げる
🔵 年収800万超も現実的
デメリット
🔴 自律神経消耗
🔴 体力依存
🔴 長期継続リスク
🩹 資格・役職による年収の差
40代看護師では、資格や役割によって収入に幅が出るのも特徴です。
例えば、
🔹 専門看護師
🔹 認定看護師
🔹 主任・副師長・師長などの管理職
といったポジションに就くと、
資格手当や役職手当が支給されるケースがあります。
厚生労働省の公的統計では、資格別の詳細な年収差までは細かく公表されていませんが、実際の求人情報を見ると、資格手当が月数千円〜数万円程度加算される例も見られます。
ただし、支給額や評価制度は医療機関ごとに大きく異なります。
年収が上がる可能性はありますが、その分、
🔴 責任
🔴 業務量
🔴 精神的負担
も増える点は理解しておく必要があります。
手取りベースで考える
仮に年収550万円の場合、
社会保険・税金を差し引いた
手取りは約420〜450万円前後。
そこから
🔸 住宅ローン
🔸 教育費
🔸 車
🔸 保険
が差し引かれる。
40代が苦しくなるのは、
年収が低いからではなく、
固定費が重いからです。
どちらが得か?
結論はシンプルです。
■ 病棟=高収入だが体力消耗モデル
■ 訪問=やや抑えめだが持続モデル
ただし、
「どちらが得か?」の答えは
年収の高さだけでは決まりません。
40代は、
瞬間的な最大年収よりも、
“10年後に立っていられる構造”を考える年代です。
たとえば――
年収600万円で3年で壊れるか。
年収520万円で10年安定するか。
3年で1,800万円。
10年で5,200万円。
トータルで見れば、
必ずしも高年収モデルが勝つとは限らない。
しかもそこに、
🔴 体力
🔴 回復力
🔴 家族との時間
🔴 将来の選択肢
が加わる。
年収は数字。
でも人生は構造。
40代が考えるべき“本当の損得”
40代は、
守るものが増える年代です。
🟡 住宅ローン
🟡 教育費
🟡 親の介護
🟡 自分の健康
だからこそ、
収入最大化よりも
消耗最小化。
夜勤を増やせば年収は上がる。
でも、
夜勤を減らせば回復力が残る。
回復力が残れば、
副収入を育てる時間ができる。
資格を取る余力ができる。
家族との関係も守れる。
「いくら稼ぐか」だけでなく、
「何を削らずに残せるか」。
ここが40代の分岐点です。
まとめ
厚生労働省の統計では、
40代看護師の平均年収は500万円台。
夜勤の有無で
年間50〜70万円の差が出る。
病棟は収入を上げやすい。
訪問は持続しやすい。
どちらが正解かは、
あなたの今の回復力で決まります。
疲労が抜けないなら、
高年収は罠になることもある。
余力があるなら、
一時的に攻めるのも戦略。
もし今、
「夜勤がきつい」と感じているなら
「そもそもこのままでいいのか」と迷っているなら
「夜勤に頼らない収入構造を作りたい」と思うなら
一つずつ整理してみてください。
40代は、
「勝つ」世代ではない。
「積まない」世代。
収入は大事。
でも、
体力も資産。
時間も資産。
選択肢も資産。
設計を持てば、
働き方は選べる。

「年収も、体力も、両方守る。」

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