訪問看護の世界では、
“同じ言葉でも、相手には全く違って届く”
という場面が本当にたくさんあります。
利用者さんの病状、生活背景、家族関係、性格、過去の経験…。
その全部が「コミュニケーションの受け取り方」に影響するからです。
特に精神科・メンタル系の訪問看護では尚更。
担当が変わるだけで不安になったり、
男性が苦手で女性看護師しか受け入れられなかったり、
逆に女性が怖くて男性の方が安心できたり──。
今日は、そんな中で私自身が学んだ
“誤解されないためのコミュニケーションのコツ”
を3つの視点でお話します。

◆ 1|相手の「今日の心の温度」を読む
訪問看護は、毎回“同じ人”でも
心の状態はその日その時間で違う
ということを忘れてはいけません。
・昨日は笑顔でも今日は涙が出る
・朝は元気でも夕方は落ち込む
・天気や気圧で不安定になる
・人に触れられることが嫌になる日もある
だからこそ、最初の数分で
「今日は寄り添う日か、背中を押す日か」
を見極めることが一番大事。
いきなり本題に入らず、
「今日はどうですか?」
「何か気になることありました?」
と、入口はゆっくり。
それだけで誤解のリスクは驚くほど減ります。
◆ 2|指摘より“提案”で話す

訪問看護の場面で一番誤解されるのが
アドバイスの伝え方です。
「薬はもっとこうしてください」
「こうしたほうがいいですよ」
これは“正しい内容”でも
相手によっては
“責められている”
“命令されている”
と受け取られてしまうことがあります。
そこで私は、必ず
提案・選択肢・理由の3点セット
で伝えるようにしています。
例:
「体がしんどいときは“こういう飲み方”もできますよ。
どうでしょう、やってみやすそうですか?」
主導権を相手に残したまま、
こちらの意図をやわらかく届けられます。
◆ 3|“距離感”は近すぎず・離れすぎず

訪問看護の難しさは、
距離が近すぎると依存になる
遠すぎると不信感になる
ということ。
初回訪問で拒否されることもあります。
担当交代を嫌がられることもあります。
「男性看護師は無理」と言われることもよくあります。
でも、それはあなたの人格ではなく、
相手の過去の記憶や苦手意識が反応しているだけ。
だからこそ、
無理に近づかず、急に引かず、
“ちょうどいい距離”を探し続ける姿勢が大事。
その積み重ねが
「この人なら安心できる」
という信頼につながります。
◆ おわりに

訪問看護は、
華やかではないし、
時にきつく、時に孤独です。
でもその分、
一対一で深く心に触れる仕事でもあります。
誤解されやすい場面があるのは当然。
だからこそ、
“言い方・間の取り方・距離感”を磨くことで、
あなたの看護はもっと深く届きます。
あなたが毎日しているその関わりは、
必ず利用者さんの生活を支えている。
それは何より価値あることです。


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