父親なのに、娘に会えない。
この言葉を口にすると、
どこかで「仕方ない」「もう終わったことだ」と片づけられる気がして、
あまり誰にも話してこなかった。
会えないなら、忘れればいい。
前を向けばいい。
時間が解決する。
──本当に、そうだろうか。
会えなくなっても、
父親である感覚だけは、なぜか消えてくれなかった。
※この記事は、特定の人物や出来事を批判するものではなく、
ひとりの父親として感じた正直な気持ちを綴った体験記です。
同じような想いを抱えている方の、心が少し軽くなるきっかけになれば幸いです。
父性は「会える/会えない」で消えない

父親じゃなくなるわけじゃない。
触れられなくても、
想っていなくなるわけじゃない。
父性は、
「会えるかどうか」で測れるものじゃない。
娘と会えていない時間は、もう長い。
それでも、
朝起きた瞬間に思う。
仕事の合間に思う。
帰り道の信号待ちで、ふと浮かぶ。
「今日は、何してるんだろう」
「ちゃんと笑ってるかな」
父親として何もできていない。
そう思う日もある。
でも、ひとつだけはっきりしていることがある。
父性は、関係性が断たれた瞬間に消えるものじゃなかった。
会えないから終わるのではなく、
会えないからこそ、行き場を失って心の中に残り続ける。
それが、父親という存在だった。
愛情の行き場を失う苦しさ

消えてしまう愛情なら、
最初からこんなに苦しくならない。
行き場を失った愛は、
宙に浮いたまま、
それでも、ここにある。
つらいのは、悲しみそのものじゃない。
一番苦しいのは、
愛情を向ける先が、どこにもないことだった。
・守りたい
・支えたい
・喜ばせたい
そう思っても、
渡せる場所がない。
電話もできない。
声も聞けない。
姿も見えない。
それでも、
父親としての感情だけが、毎日ちゃんと存在している。
この状態は、
失恋とも、死別とも違う。
「生きているのに、触れられない」
「想っているのに、届かない」
愛情が宙に浮いたまま、
自分の中をぐるぐる回り続ける。
だから、
何気ない親子の映像や、ドラマの再会シーンで、
不意に涙が出てしまう。
それは未練じゃない。
執着でもない。
行き場を失った愛情が、あふれているだけ。
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「忘れた方が楽」という言葉がつらかった理由

「忘れた方が楽だよ」
「切り替えなきゃ」
悪気のない言葉だと分かっている。
でも、そのたびに思った。
忘れるって、何を?
父親だった自分を?
娘を想う気持ちを?
それができたら、
きっとこんなに苦しくない。
でも、できなかった。
忘れられなかったから、
ここまで生きてきたとも言える。
父性は、都合よくオンオフできるものじゃない。
それを知ったのは、
会えなくなってからだった。
感情を抱え続けるという選択
正直に言う。
この感情が、いつか完全になくなるとは思っていない。
たぶん、
この先も、何かの拍子に胸は痛むし、
涙が出る夜もある。
でも、それでいいと思っている。
会えなくても、
父親としての感情を持ったまま生きる。
それは不幸でも、失敗でもない。
それだけ誰かを本気で愛した、という事実だから。
抱え続けることは、
過去に縛られることじゃない。
自分の人生を、
誤魔化さずに引き受けるという覚悟だと思っている。
同じ想いを抱えるあなたへ
もしあなたが、
・父親なのに会えない
・大切な人と引き離された
・想いの行き場がなくて苦しい
そんな感情を抱えているなら。
それは、弱さじゃない。
未練でもない。
誰かを本気で愛した人にしか生まれない感情です。
あなたは、
何も間違っていない。
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まとめ──それでも、父親だった

会えなくなっても、
父親である感覚は消えなかった。
愛情は、行き場を失っても消えなかった。
そして私は、
この感情を抱えたまま、前に進むことを選んでいる。
それは、
過去に戻りたいからじゃない。
自分の人生を、ちゃんと生き直すため。
父親なのに、会えない。
それでも、消えなかった感情がある。
それだけは、
これからも大切にして生きていく。
もし今、
どうしようもなく胸が苦しくなる日があったら、「無理に前向きにならなくていい」と思ってください。
感情は、消すものではなく、少しずつ受け止めていくもの。
今日を生きているだけで、あなたはもう十分頑張っています。

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