「傷ついているのは、自分だけではなかった」
訪問看護という仕事は、誰かを支えに行く仕事です。
でも時々、支えているはずの私が、逆に救われる瞬間があります。
離婚を経験し、家族とも離れ、仕事も不安定で、心が折れそうだった頃。
そんな自分に、患者さんが何気なくかけてくれた言葉が、
今でも、深く胸に残っています。
その日の訪問が、私の人生をもう一度立て直す “きっかけ” になりました。
この記事では、訪問看護の現場で出会った小さな奇跡を通して、
人が人に与える力についてお話しします。

あなたが来ると安心する──その一言が支えてくれた日

「あなたの笑顔を見ると、私も頑張れる」
──利用者さんの一言がくれた救い**
ある日の訪問。
その方は、長期間の疾患と不安を抱え、気持ちが沈むことも多い利用者さんでした。
その日の私も、心はボロボロ。
仕事の前に、車の中で少しだけ涙を流していた日でした。
しかし玄関先で私の顔を見るなり、その方はこう言いました。
「あなたが来ると、家の空気が明るくなるのよ」
その言葉は、胸の奥に静かにしみ込み、
崩れそうだった心をそっと支えてくれました。
私は看護師として「支える」ために訪問している。
でも本当は、支えてもらっていたのは自分のほうでした。
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あの言葉がなかったら、今こうして前向きな自分には戻れていなかったと思います。
訪問看護は「技術」だけではなく、「心」で通じ合う仕事だと教えてくれた瞬間でした。

見えない努力はちゃんと届いている──利用者さんに教わった大切なこと
「生きるって、誰かと励まし合うことなんだね」
──小さな会話で気づいた、人生の本質
訪問中、利用者さんとの雑談の中で、
「最近、家族と話せていなくてね」と打ち明けられたことがありました。
すると利用者さんは笑って、
「私も同じよ。でもね、こうして話せる人がいるだけで違うのよ」
と言ってくれたのです。
その時、気づきました。
人は「完璧な環境」ではなく、
“共感してくれる誰か” がいるだけで、生きる力を取り戻せるんだ、と。
訪問看護とは、まさにその “誰か” になれる仕事でした。
看護師の価値は“技術”だけではない
「人は弱いからこそ、優しくなれる」
──患者さんから教わった生き方
ある高齢の女性が、ある日こう話してくれました。
「私は身体は弱くなったけど、心は昔よりも強くなった気がするの」
その言葉にハッとしました。
人は弱さを抱えているからこそ、
相手の弱さにも寄り添えるのだと。
弱っているのは悪いことではない。
むしろ、弱さを知っている人ほど、人に優しくなれる。
その気づきは、離婚で傷つき、娘に会えず、迷っていた私の心を強くしました。

まとめ:あの日の言葉が今の私を支えている
訪問看護は「仕事」を超えて、人を育ててくれる場所
訪問看護の現場は、決して楽ではありません。
時に涙が出るほど、心が折れそうになる日もあります。
でも、それ以上に──
利用者さんとの時間が、私自身を成長させてくれるのです。
人は人に支えられて生きている。
そして、あなたが与える優しさは、必ずどこかで誰かを救っている。
訪問看護は、そんな「奇跡」が起こる場所です。


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