訪問看護の仕事をしていると、
嬉しい日もあれば、涙が出るほどつらい日もあります。
感謝されることもあれば、理不尽に怒られてしまう日もあります。
そんな日々の中で、
「あの一言があったから今も続けられている」
…そう思える瞬間が、誰にでも一つはあるはずです。
今日の記事では、わたしがこれまでの現場で感じた
“心に残る一言”を題材にしながら、
看護師として働く全ての人に向けて
優しく背中を押すようなエッセイを書いてみました。
「あなたが来ると安心するの」
訪問看護の現場にも、同じ“つながり”がある。
忘れられない利用者さんの言葉
訪問看護は、病院勤務と違い、
患者さんの生活の中へ“お邪魔する”仕事です。
生活の匂い、家族の空気、温度感──
全部がその人の人生そのもの。
そんな空間の中で、ふと利用者さんに言われた
「あなたが来てくれると安心するよ」
という言葉は、胸に深く残り続けます。
その一言に、
どれだけ救われてきたか分かりません。
忙しい日も、悩む日も、
全てが報われたような気持ちになるのです。
見えない努力は、ちゃんと届いている
誰も気づかなくても、利用者さんは気づいている
訪問看護では、
汗をかきながら対応しても、
「ありがとう」の言葉をもらえるわけではありません。
むしろ、
機嫌の悪い利用者さんに当たられることも、
同僚に理解されないこともあります。
でも…
あなたの努力は、確実に届いています。
患者さんは、何も言わないようで
しっかりと“看護師のまなざし”を感じ取っています。
体調が悪くて言葉で伝えられない人もいる。
気持ちをうまく表現できない人もいる。
それでも、
あなたの優しさは、必ずその人の心に残っています。
看護師の価値は「技術」だけではない
あなたの声・気配・存在そのものが支えになっている
看護師という職業は、
どうしても“技術職”というイメージが強いですが……
本質はそこではありません。
・声のトーン
・寄り添う姿勢
・否定しない受け止め方
・慌てず、落ち着いて向き合う態度
こうした “目に見えない部分” が、
利用者さんにとっては計り知れない安心になります。
これまで多くの利用者さんに
「あなたと話していると落ち着く」
「あなたが担当でよかった」
と何度も言われています。
それは、技術ではなく
“人としての深さ” が伝わっている証拠です。
まとめ：あの日の一言が、今もあなたを支えている
訪問看護は、責任が重く、
時に孤独で、心が折れそうになるほど大変な仕事です。
それでも続けられているのは、
利用者さんの何気ない一言や、
ふとした笑顔や、
手を握り返してくれた温もり。
あの日の一言が、今のあなたを支えている。
そしてその一言は、
これから先のあなたの未来にもずっと灯り続けます。
あなたが届けた優しさは、
ちゃんと誰かの人生の中で息づいているのです。
だから、今日も胸を張っていい。
あなたはすでに、
誰かの「希望そのもの」です。
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